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MuV-LuV 一羽の鴉

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終わる世界



「ClosePlan…これで…人は助かるのか」

 空へと伸びる幾多もの光りの道を呆然と眺める。

 淀んだ雲を打ち抜き、天を切り裂くその一筋の光りは、これからの人の道筋を定めているかのようにも見えた。

「スミカ…本当にこれで良かったのだろうか」

 人を助けるため。

 その一つの信念を自らの心の中に持ち、俺はORCA旅団の一員として生きてきた。

 幾多もの激戦を一人で駆け抜け、遂にはアルテリア・クラニアムの襲撃にも成功した。

 レイテルパラッシュとマイブリスの二人のACを退け、アルテリアのエネルギーを用いて衛星掃射砲を使った。

 その結果が今俺の見てる光景であり、今から数時間もすれば、この淀んだ空を飛んでいる揺り篭も地に堕ちるだろう。

「何を今更…これは貴様が望んだ結果だろう?」

 機内に設置されたスピーカーから女性の辛辣な声が耳に届く。

「…」

 返答はしない。

 確かにこの結果は俺が望んだものだ。

 このままクレイドルが空を飛び続けられるのも時間の問題だ。

 それならば早くに新しい道を切り開いた方が良い。そう思い、俺はORCA旅団、引いてはテルミドールの意思に賛同した。

 だがClosePlanは大きな賭けでしかない。

 地に堕ちた人が宇宙に逃れる術を見つける事が出来なければ、この腐敗しきった地上で生きるしかない。

 即ち…死だ。

 そんな状況に追い込んだのは間違いなくこの俺であり、人々からは永遠に蔑まれる事だろう。

 …と言っても生き残る事が出来ればの話だが。

「ガフッ!」

 そう思った瞬間、体を逆流してきた血が口から飛び出す。

 眼前に広がるモニターを赤く染め上げ、モニターに映す光景を濁らせた。

「シルバ!?」

 どうやら俺の様子はスミカの方からモニタリングされていたのだろう。スミカの焦った様子の声が聞こえる。

「すまない。最後に失敗したようだ」

 痛みで歪んだ顔を下に向けて見ると、一本のパイプが俺の脇腹を貫通していた。

 レイテルパラッシュを撃墜し、マイブリスも撃墜していたの思ったのだが、最後にマイブリスの放った弾丸がコックピット近くに当たり、俺の方へと被害が及んだ。

 その結果一本のパイプが俺の腹に突き刺さり、俺は虫の息になっているというわけだ。

 それでもどうにか動く事のできるACを動かし、地表に上り、この光景を見ていた。

「…死ぬのか?」

 スピーカー越しに聞こえるスミカの声も段々と聞き取りづらくなってきている。

 視界もぼやけてきている。

「ああ。死ぬだろうな」

 不思議と恐怖はない。

 寧ろこの腐った世界から開放される事の安堵の方が大きいかもしれない。

「…」

「スミカ」

「なんだ?」

 そろそろ…意識が飛びそうだ…。

 だがその前にスミカに一言だけ伝えないといけない事がある、

 最初から最後まで俺と共に生きてくれた人に、俺を支えてくれた人に…!

「今まで…ありがとう」

「ッ!…。…な!死ぬな!シルバ!」

 始めて聞くかもしれないスミカの悲痛な声。

 そんなスミカの声を聞きながら、既に力の入らない腕を伸ばし、スピーカ−の電源をOFFにした。

 途端に静まり返る機内。

 その瞬間に俺の集中も切れ、意識も急速に遠のいてゆく。

 これで終わりだ…。

 殺し合いしかない人生だったかもしれないが…悪いもんじゃなかったのかもしれない。

 そんな事を思いながらも、遂に意識は途絶えた。

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作品名:MuV-LuV 一羽の鴉 作家名:コロン