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ゆらのと

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冗談じゃない。
なにが、つとめ、だ。
心が反撥する。
しかし、やはり、言葉を呑みこむ。
「桂小太郎。おまえは私から逃げられない」
屋敷の主は言う。
「明日、その身体に、私の記憶をたっぷりとしみこませてやろう」
虫酸が走る。
桂は黙ったまま、にらみつけた。
それでも、屋敷の主は悠然としている。
そして、屈強な体つきの天人たちを引きつれて、部屋から去っていった。
部屋にひとりきりになり、桂は安堵する。
だが。
明日はもう近い。
それを思うと、気分が暗くなる。
屋敷の主からこれまでされたことが次々と頭に浮かんできた。
嫌悪まで、よみがえってくる。
明日、あれ以上のことをされるのだ。
おそらく、徹底的に、はずかしめてくるのだろう。
ぞっとする。
けれども。
もう引き返せない。
自分が選んだことが最良であったかどうか、わからない。
わからないが、突き進むしかない。
覚悟は、すでにしたのだ。
宇宙海賊の船に乗るまえに。
決意を胸によみがえらせた。
必ず、成し遂げてみせる。
たとえ、自分がどうなろうが、かまわない。
そう決めたのだ。
桂はなにかを振りきるように、強く眼を閉じた。













作品名:ゆらのと 作家名:hujio