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それぞれの道へ

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2終業式、終了。そして帰宅

鎌之介を保健室に運び、皆より随分遅れて体育館に入った
今、丁度中体連の選手達への賞状渡しが終わったところだった
「丁度良かったのではないか?
これから幸村様がお話されるとこ・・「十蔵、黙ッ」
佐助はそう言って人差し指を自分の口に当てる
才蔵達は今、体育館の入り口にいる
聞こえない訳ではないが、喋ると聞きづらくなるのだ
しばらくして、幸村が壇に上がりマイクを自分の口に向けた
「暑ぅなったのう、皆夏バテしとらんか?
熱中症には注意せんといかんのおー
さて1・2年もそうだが
3年は特に勝負の夏!受験に向けて頑張れよ
最後に2学期元気に登校して来い!終わり!」
相変わらず短い。だが、それはそれで生徒達は気にかけていないようだ
「最後に教頭先生のお話です」
という生徒会長、伊佐那海のアナウンスが聞こえた
教頭こと、六郎が壇に上がると殆どの女子の見る眼が変わった
「(相変わらずモテるなー、六郎サン)」
才蔵は内心、そんな事を呟いていた
「この1学期あっという間でしたね
皆さん、元気そうで何よりです
暑いですのであまり長々と話しませんが
いいですか?夏休みとは・・・・」
それからは10分程度で終わった
いつもならこの3倍だ
そして、六郎が壇から下りた後
「これで終業式を終了します。気をつけ、礼」
伊佐那海のその号令を合図に、生徒達は自分の教室に戻って行く
その生徒達に才蔵と佐助はしれっと入って付いて行った

教室に戻ると、鎌之介が不機嫌そうな顔をして机に座っていた
「おー、由利ー、起きてたのかよ。おはよーさーん」
「あっ由利が起きてるー、珍しいー」
「鎌之介ー。お前結局、最後の最後まで寝たなー」
などなど複数の男女から話しかけられていたが、鎌之介は応じる所か見向きもしなかった
余程根に持っているのであろう
どうしようかと悶々と考えていたが、十蔵の
「席に着かんかっ!!」
の声でその考えは遮られた
そして、皆が席を着き終わると
「ハァ・・全くお前らというやつは・・・
まぁ、いいだろう。ただし2学期
きちっと登校して来い!!
以上!!」
そう短く言い残し、後は礼をして教室から去って行った
それと同時に教室が賑やかになる
夏休みの予定を楽しそうに話している、生徒が多数いた
才蔵はそれを横目に見ながら、佐助の席い向かう
「佐助、帰ろうぜ」
佐助はそれにこくりと頷いてから椅子から立ち上がった
学校を出て、しばらく歩いていると
「才蔵ー、佐助ぇー」
振り向くと、伊佐那海が隣に弁丸を連れて
手を振りながら走って来ていた
「お、伊佐那海か・・つーか、ここでは先輩って呼べつってんだろ
こん、馬鹿」
「えーっいいじゃん、別にー」
「良くねぇ!大体お前生徒会長だろ?
立場ってもんを考えろ!」
そう、先程にもあったように伊佐那海は生徒会長である
選ばれた理由は才蔵の中でも判明しない
「才蔵、伊佐那海ッ黙。
ここ、通学路、騒ぐ禁物」
「おぉ、そうだったな
つーことでお前はさっさとガキと帰れ」
「なによぉう、つれないなー
ま、いっか。行こっ弁ちゃん」
「うんっじゃーねー。才蔵、佐助ー」
弁丸はそう返事をすると、才蔵達に手を振った
「あぁ、じゃ伊佐那海。ガキを頼む」
「わかったっじゃあねー」
伊佐那海も弁丸と同様、手を振ると水色の髪をなびかせながら
帰って行った
「んじゃあ、俺達も帰ろうぜ。佐助」
「諾」
佐助はそう返事して、才蔵と共に歩き出した
作品名:それぞれの道へ 作家名:武麗威舞