Angel Beats! ~君と~
「お前の人生だって本物だったはずだろぉぉぉぉおおおおお!!」
あれ―――――?音無?
何で俺、血塗れなんだ―――――――――?
ゆりッペもボロボロだ―――――――
これは――――ひっでぇな、
皆、血塗れじゃないか・・・・
ちっ、体動けねぇ
「認めてくれるのか?あんた――――」
直井―――――――?
『おい、日向起きろ』
「はい!あれ?」
「授業中に寝るなよ。ったく、おい、1行目から読め」
教科書に目を移すと読み始めた。
非常につまらなかった。それはここに居る全員が思っている。教科書に載っているもの全部作者の自己満足だ。
最近の科学は間違っている、思い通りに出来る、私はこう思っている、結局、作者の自己満足に過ぎない。
教科書というものは洗脳力が高いものだ。国の都合で内容も変えられる。
キーンコーンカーンコーンとチャイムが授業が終わりを告げた。
「げ、ヤッベ弁当忘れた!」
鞄の中をもう一回確認し、中身をひっくり返してみたが見当たらなかった。
「おーう、音無、学食トゥギャザーしないかい?」
「お前、やっぱり『コレ』か?」
右手の甲を左の頬へとくっ付けた。
「違ぁああう!俺は純粋にお前と学食をしたいだけだって!」
「日向いきなりそんな事を言うと誤解されるぞ」
「うっ。で、どうだ学食どうだい?」
財布の中を見たがそんなに寂しくないようだ。
「そうだな食べるか」
食堂――――――
合併させた学校の学校の校舎を改造させ、巨大なのが出来た。全ての高校より勝っていた。
「でかいな・・・・・」
全校生徒をここに集めてもまだまだいけそうだ。
「お前ここに来たこと無いのか?」
「毎日、弁当食ってたからな」
良く見てみると真ん中にでかい階段もあって2階もある。
一体どれくらいのお金を賭けたのだろうか。
「よし、何か食おうぜ!」
二人はタッチパネル式の食券の機械へと向かって行った。
「どうだ音無、決まったか?」
「ここ、メニュー在りすぎだろ・・・・・・・」
でかいだけだと思ったがメニューは豊富だった。大抵の食堂はでかいだけが取り柄でメニューはスカスカだ。
15分後
「音無、10分は経ってるぞ。大丈夫か?」
「ヤッベ、迷う。日向ここのオススメは何だ?」
「ここのオススメか・・・・・・、といっても何食ってもここの美味いんだよな・・・・」
タッチパネルを指で弄っているとピっ、と何か音がした。
(もう、これで良いか・・・・・)
取りだし口から白色の食券を取った。それは『麻婆豆腐』と書かれている。
「音無、チャレンジャーだな」
「ハ?」
「ここの麻婆豆腐は物凄い辛いと噂されているんだぞ」
「仕方ないだろこれが出てきたんだから。日向は何にしたんだ?」
「オムライス。旨いぞ」
二人は空いている席を見つけて座った。
麻婆豆腐、この禍々しい赤い色。赤い色が豆腐まで浸食していた。
一目で見て味がわかった。
「辛そう・・・・・」
「音無、見事にハズレメニューを当てたな」
学食と言うのは見た目だけで判断は出来ないもの。名前が美味しそう、なだけで頼んだらとてつもない不味さだった。という可能性も有り得る。それが、ハズレメニュー。
それを見事に当てたのが、音無 結弦。ごく普通の学生だ。
「見た目より、味だ日向」
(『そんな、ささやかな幸せ・・・奪っちまった・・・・俺』)
「音無、無理すんな」
「だが・・・・・俺は食べる!」
レンゲを右手で掴み、麻婆豆腐を掬った。
やはり、禍々しい赤い色をしている。
「音無、お前を尊敬するぜ・・・・」
ゴクッと生唾を呑み込むと意を決した。
「ハム」
そして、口に運び込んだ。
「うっ!」
「音無!やっぱり、――――」
「うめぇ」
「ハイ?」
「うめぇよこれ!口の中でとろける豆腐、それに程好い旨味、優しく包みこんでくれるこの風味・・・・!滅茶苦茶うめぇよ!日向も食ってみろ!」
「そんなにか?」
音無に勧められ、スプーンを使い麻婆豆腐を掬った。
そして―――――
「旨いぞ!何だこの旨さは!これは、当たりメニューだ!」
「にしても誰だ、『辛い』って噂を流したの」
「さあな、食おうぜ音無!」
日向はまた麻婆豆腐を掬うと口に運んだ。
「日向、お前食うなよ!」
「ちぇ、」
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影