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Angel Beats! ~君と~

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今回は結構少なめです。
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第37話 Go to

「じゃあ皆、日向君と松下君を除いて集まったわね!」

昨日の話し合いにより、駅前を集合場所にしようと決まり集まったSSSメンバー。外の気温は暑く、水分補給をしなければすぐに倒れてしまいそうだ。だが、そんなのはお構い無しに小枝は大山に抱き付いている。
メンバーは学校専用の夏服ではなく、それぞれ個性的な感じの服を着ているが、椎名だけは違う。いつもの黒いマフラーを首に巻いている。TKも赤いバンダナを目元にしている。

「ちょっと待てゆりっぺ!!この不審者は何だ!?いかにも怪しい!!ぶっ殺してやる!」

野田はゆりのキャリーバッグから黒い棒に持ち変え、その不審者に襲いかかるが目の前に結弦が立ちはだかる。

「止めろ野田!俺の妹だ!!」

その小さな不審者、初音は結弦の後ろに隠れる。

「お兄ちゃん怖いよこの人!!」

「事前に言っておいたんだがな……」

ゆりは野田に制裁と言う名のボディーブローを下し、初音に優しく声を掛ける。メンバーはいつもの事だ、と呆れて野田を見る。

「初めまして、えー……っと初音ちゃん?私の名前はゆりよ。宜しくね」

「はいこちらこそ宜しくお願い致します」

「結構しっかりしてるわね。偉いわ。ようこそSSSへ」

右手を前に出し、初音はそれに応え握手をする。5秒が経った頃にはお互いに手を離し、ゆりは声を上げる。

「それじゃ、行くわよ!」

地面でもがいていた野田はいつの間にか立ち上がり、ゆり達の後ろに付いていく。











夏の電車内は妙に人が多く、蒸し暑いのだが全く、零と言って良い程人が居ない。

「おーーーーー!!人が居ないよお兄ちゃん!」

「初音ちゃんって元気だね!あたしにもその元気を頂戴な!」

初音に便乗し、一緒に騒ぐ関根はひさ子に子供か、と少々突っ込まれる。野田は全く人が居ない事に感心し、

「ゆりっぺが貸し切りしたのか!?」

「いえ、野田さんそんな事があろう筈がございません。きっとゆりっぺが客を全て消し去ったのでしょう」

眼鏡を知的に上げるがその推理はかなりの無理がある。

「流石ゆりっぺ!ますます惚れ直すぜ!!」

等とアホなトークを繰り広げる野田(アホ)と藤巻(アホ)と筋肉マッチョ露出狂変態野郎は、ゆりに制裁を加えられる。一方で遊佐はちょこんと、メンバーの邪魔にならない様に席に座っていたり、小枝は大山の腕に抱き付いて早速寝て大山を困らせたり、岩沢はもう寝ていたり、竹山はノートパソコンで自身のブログを更新し、直井は結弦にべったりくっつこうとするも、嫌がられたり、TKはムーンウォークをしたりと、もうSSSメンバー独特の世界観を醸(かも)し出していた。

(あれ?椎名が――――――)

見当たらない。暑い時期なのに黒いマフラーをする………たった一人だけしている彼女が見当たらない。

「音無(こぞう)…呼んだか……?」

「うぉう!?」

すぐ真後ろに彼女は居た…。ただ単に影が薄いだけなのかもしれない。














電車内の席は向かい合うのではなく、窓にそる様な感じだ…………従って、

「キャー☆ジョーカーよーーーー!!―――って、このこの!!!」

トランプのババ抜きは相手に見られる可能性があるのだが、ゆりは見たにも関わらず大山の手札からババ、ジョーカーを引いてしまった。

「ゆりっぺさんトランプに八つ当たりをするのはどうかと思うのですが……」

「浅はかなり」

「ふ……天使であるこのわた―――――」

「My last turn!!」

引いたジョーカーを地面に叩き付け、これでもかと言う程踏みつけている。
ひさ子は持ち前の強運を使い、一番に抜けた。

「何か他!他の遊び!!他の遊びをしましょう!!遊佐さん何か無い!?」

ゆりっぺの必死の叫びを他所(よそ)に向かい側の席では結弦と初音が電車に揺られながら眠っている。何でも海に行くのが楽しみであまり睡眠が取れなかったそうだ。

「そうですね……」

キャリーバッグとは別の手提げバッグから何かを探る。トランプもここから出した物だ。

「丁度…割り箸が……50本あるので………」

「何で50本も?ゆさゆさ……」

「みゆきちさん、もしかしたら割り箸を求めている強盗に会ったりしたらどうするのですか?」

「割り箸を求めて強盗する人なんか居ないよ!?」

「それと割り箸で凶器にも出来ますからね、変人にも対応する事が出来ます。是非とも割り箸を持つ事をお薦めします。」

「では、私が貰おう……」

『……………』

その場が凍り付く。何故なら、

「普段喋らない椎名さんが喋った!?」

「え?そんなに大山君?」

「血迷わないで枝里!!」

「Break!?」

「椎名さんが…壊れた……!?」

「椎名っち落ち着け!」

「私は落ち着いている。血迷ってもいない。使える物は使う、これが親の教訓(おしえ)だ。5本程貰おうか」

「はい分かりました。どうぞ椎名さん」

席から立つと椎名の前へと行き割り箸を5本渡す。それを受け取ると首に巻いている黒いマフラーに割り箸を入れる。

「椎名さんってマフラーがポケット代わりなの?大山君」

「ごめん、僕にも分からないよ」

「じゃあ私も貰って良いかなゆさゆさ?」

「良いですよ。何にお使いするのですか?」

「ドラムの練習に使うんだ~」

岩沢は手軽にギターを運ぶ事が出来るが、入江の場合はドラムだ。運びたくても運べない。そんな彼女は、『太鼓の○人』と言うゲームを持ち歩いておりいつでもどこでも手軽に練習をする事が出来る。

「はい、どうぞ、みゆきちさん」

「ありがとうね」

入江に渡し、席に座ると余った割り箸を何かに使えないだろうか、と見つめる。

「この割り箸で……王様ゲームでもしますか……」

「良いアイデアね。流石遊佐さん!早速やりましょう!!」
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ゆりっぺ
「ついに決まったわ……」

結弦
「何がだ?」

ゆりっぺ
「小枝さんと大山君の一日が書かれる…という事よ」

結弦
「あー…で何で俺が呼ばれた?」

ゆりっぺ
「愚痴を聞いてほしいからよ……」

結弦
「………」

ゆりっぺ
「というのは冗談で、『小枝さんと大山君の一日』の番宣をやってほしいからここに来てもらったのよ。はい、台本」

結弦
「えー…っと、聖剣さんのご提案してくださったのが遂に12月24日に始動!!……これだけ?」

ゆりっぺ
「えぇ、そうよ」

結弦
「それに、12月24日って結構早いな」

ゆりっぺ
「なぁに言ってるの?後、4ヶ月先じゃない」

結弦
「どういう…ことだよ?」

ゆりっぺ
「つまり、小説の月のこと。現実の月日とは違うの。私達が居る世界は夏休み真っ只中なのよ」

結弦
「って事は……」

ゆりっぺ
「小説の時間軸で言うと、4ヶ月先。現実で言うと、2012年~2013年になるわ。下手したら6年後になるわ」

結弦
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影