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Angel Beats! ~君と~

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第42話 THE SECOUND

謎の大山事件に幕を閉じ、時計の短い針が9時を指していた。
一旦部屋に戻り、睡眠を取ったメンバーはそれぞれ自由行動していた。

『フルコンボ!パーフェクトだどん!!』

「お~!相変わらず良い腕前してるね、みゆきち!」

「それ程でもないよ~」

みゆきちこと、入江はチャーの家に設置されている『太鼓○達人』の新記録を叩き出した。ランキングを見ると、トップの座を勝ち取っていた。

「へいへーいどうだ!」

「げっ!?またひさ子の一人勝ちかよ!!」

「Oh~……何てこった」

ひさ子相手に勝てる訳が無いのに挑み続ける藤巻とTK。勝てるまで気が済まないみたいだ。

「遊佐さん外行こうよ!」

「日焼け止めは塗りましたか?」

「え~塗るの~?」

不満そうに初音は頬を膨らませると遊佐は何処からともなく、二枚の20cmの正方形の写真を取り出した。一枚は肌が白くて若い女性、もう一枚の写真は肌が黒くて顔の所々がしわで、しわくちゃな女性だった。

「この写真を見てみて初音さんは二人がおいくつ位だと予想しますか?」

初音は考え、まず、肌が白い女性を指差す。

「こっちは大体、20歳位で……」

次に、肌が黒い女性を指す。

「で…こっちが60歳位かな?」

「実はですね初音さん…二人共20代なのですよ」

「えーーーーーーー!?」

驚きを隠せなかった。世の中、確かに過労で肌がボロボロになるが、初音はそこまで知らなかった。

「何故、こうなったかと言うとですね。太陽の紫外線のせいなのですよ。ですから初音さん、日焼け止めを塗って頂けますよね」

「でも遊佐さん、日焼けしている人はいっぱい居るよ!?」

「後々になって効果が出てくるのです。初音さんはこうなりたいですか?」

コップに注ぐ水の様に。注ぎ過ぎたら水が溢(あふ)れて、零(こぼ)れてしまう様、肌に負担(ダメージ)を与えて、後に効果が表れてしまうのだ。

「嫌だ!」

「では塗って頂けますか?」

「う~」

渋々納得すると、遊佐の手により日焼け止めを塗られていく初音。こうして見ると、姉妹の様だ。その塗られている妹の所に兄がやってくる。

「なんか…ごめんな遊佐。初音に振り回されて……」

「妹ができたみたいで私はたのしいですよ。気にしないで下さい。」

遊佐は日焼け止めを塗り終わると早速、初音に手を引っ張られて外に連れて行かれた。
野田はソファーの一つを独占し、椎名は猫の人形を作っていたり、もう一つのソファーで大山は小枝に寝ながら抱き付かれたり、岩沢は音楽の世界に入ったりと、色々な意味でチャーの家を独占していた。
そこで結弦はある一つの疑問を抱く。

(何で俺達だけなんだ…?)

普通なら、他にも客人が居る筈。少なくとも5人位は。それが影も形も無い。すると、ゆりが。

「戦闘態勢よ!皆!」

「………あー……何で?」

「非戦闘員は隠れて!」

結弦の言う事を無視する彼女は焦っている。
この光景は前に見たことあるな、と結弦は思う。
そもそも非戦闘員とは?非戦闘員があるなら戦闘員が居る筈……。
これから何が起こるのか?この平和で田舎っぽい所で戦闘?
と、様々な考えが彼の頭の中で渦巻いていた。


「おー!大山って結構女の子っぽいぞぃ☆」

「って何でカツラを被せるの!?」

緊張とは余所(よそ)に関根は大山に長髪のカツラを被せて遊んでいた。
そしてメンバーは相変わらず、遊んでいたが野田はいつの間にかソファーから起き上がり自身と同じ身長の黒い棒を取り出していた。

「ぬ!誰!?」

「僕だよ!」

右腕に抱き付いていた小枝は目を覚まし、妙な声でカツラを被っている大山に威嚇する。別人だと思っているのだろうか。

「ん~……大山君の匂いがするけど……」

鼻を肩に近付け、嗅いでみる。それは彼女が言う、大山の匂いらしい。

「だから僕だよ!しかも『匂い』って犬!?」

「愛されてるね~大山☆」

「ちょっと違うんじゃない?みゆきち」

「って何和んでいるのよ!戦闘だっつって言ってんでしょ!!」

どうせ、ゆりっぺのドッキリだろう、とメンバーは思うが、ある一名は思っていない。一本の棒を両手に持って戦闘する気満々だ。

「どうせさ、またゆりっぺのドッキリでしょ。付き合いきれないよ?」

「おっ、みゆきちが珍しく反撃……!」

「違うわよ!本当なんだって!!チャーから依頼よ!」

依頼……それで思い付くものは……入江は答えを口から出した。

「(ドラゴ○ボール)撮影の?」

「はいはいはーい。時間無いから言うわよ」

違ったらしい。ゆりは取り敢えず、ここに居る全員を土産売り場に連れて行く。
土産売り場はチャーが自ら作った(趣味)色々な物がある。日向を真横に飛ばした小型推進エンジンがあった。
『お買い得!今なら、5000円!安い!買うしかない!!!良い子は人にぶつけたりしちゃいけないぞ!!二つ買えばローラーシューズに付けて飛んだり出来るぞ!!』
と、よっぽどその商品を買わせたいらしい。

「はい、ここで皆様に質問です。何故、この『チャーの家』に人がまったく集まらないのでしょうか?」

「それは…この日本特有の地形だからでしょう。ここに来るのに随分時間が掛かりますから」

高松はメガネを知的に上げる。
彼の言う通り、ここに来る為にはかなりの時間を要する。それ故、体力に自信がなければ、あるいは温泉マニアな人でなければここに来る事はない。

「それも一理はあるけど、もうちょっと簡単な事よ」

「では、ただ単に名前が売れていないからですか?」

「それも違うわ高松君。今日の朝御飯と、昨日のすき焼き美味しかったでしょ?それにサービスも良い。これ以上に良い所なんてある?」

「帝○ホテルは?ゆりっぺ」

「それは現実よ大山君」














チャーの家の前は何も無い。遊ぶところはないが、初音は走り回っているだけ。その姿を遊佐は暖かく見守っていた。

「遊佐さん、お茶ってある?」

「はい、どうぞ。水分はよく取って下さい」

遊佐は予(あらかじ)め持って来た白くてコンパクトなクーラーボックスから冷えた500mlのお茶を取りだし、初音に渡す。お茶渡され飲もうとした時、柄の悪いバイクが3から4台程こっちに向かってきた。














「ヤクザ擬(もど)きのせいで売り上げが悪くなっただ~?はぁい?」

藤巻は頭上にクエスチョンマークを並べていた。ゆりが言うには、以前はそこそこ客は来ていたらしい。しかし、そのヤクザ擬きと言う奴達(やつら)に邪魔をされ、経営するに当たってイメージがとても悪くなったと。それだけでは売り上げは悪くはならない。

「で、しかも客にカツアゲやら何やらして、客足が来なくなった……と、言う訳ですか………」

メガネを指で上げ、ゆりの話を簡単に纏(まと)める。

「うっわ…典型的な嫌がらせだね……大山君ならそんな人達なんか一捻(ひとひね)りだよ」

「僕にそんな力無いから!」
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影