Angel Beats! ~君と~
第43話 人って見かけによらないよね
「ちっくしょおおおおおお!お前なんか当たりのアイスが出ない呪いをかけてやる!うわああああ!!」
「あ…兄貴!!」
凄い柄の悪い服を着て、リーゼント頭で、わざとらしく腰辺り…いや、それ以下にズボンを履いて、いかにも悪だぜという感じを出していたのだが……その絵面が合っていない。大の大人が大男に泣きじゃくって両目が腫れている。チャーの『奴ら』とか言う奴らなのだろうか。
「遊佐さんすごーい!」
「いえいえ。お茶の子さいさいですよ」
急いで飛び出して来たメンバーは唖然としていた。
イケメンな男が明○のジョー並の白さで項垂れて、極め付きには大男に泣き付いているリーゼント頭。見ているだけで面白かった。
「遊佐さん…これは?」
ビミョーに気まずく、まず第一声を発したのは、ゆりだ。
「話せば長くなりますが、聞きたいですか?」
「いや、別にな」
「そうですか。そんなに聞きたいならしょうがないですね」
“長いなら聞かなくても”と言い掛けたのだが割られてしまった。
という訳で、回想
「へー…結構人が少なくなったな~」
バイクから腰パンをしながらも颯爽と降り、ヘルメットをアクセルのレバーへと掛ける。不良で言う、『兄貴』あたりだろう。
「貴方が色々やらかしたんでしょう?」
「………」
「それは触れてはいけない事実だ。羽方(はかた)」
それぞれ横に一列に並び、歩幅は違うがリーダーに合わせて歩く。
グループに必ず一人はイケメンがいる。合コンやら何やらで女性を釣る為だろう。そのイケメンは小さい女の子と遊んでいるツインテールの女の子に目を付けた。そして不良達が瞬(まばた)きをした頃にはツインテールの女の子の目の前に立っていた。ここから距離が15mもあるというのに。
ツインテールの女の子の白い左手を両手で包み込み、自分の胸の前に持っていく。
「お嬢さん?お茶でもいかがですか」
ツインテールの女の子は右手をイケメンな男、羽方に添える。
(これは脈あり……)
包み込まれている手を優しく手解(てほど)き、羽方の右手と左手を握り捻(ねじ)り上げる。
「いててててててててて!!?」
悲鳴を上げ、膝を付く。
ツインテールの女の子は淡々と侮蔑の言葉をイケメン男に吐く。
「その汚い手で触らないでもらえないでしょうか?貴方の様に女性なら誰でも良いという最低な男性とは付き合いたくもないですし、見たくもありません。私の視界から消え失せて下さい」
「!」
羽方は目の前が真っ暗になった感覚に襲われた。今まで女性に振られる事はなかったのだ。
「本気の恋をしたことないでしょう」
「!!」
羽方は大人しく隅に行き、代わりに3人がツインテールの女の子に近付いてくる。
一緒に遊んでいる小さい女の子はツインテールの女の子の後ろに隠れた。
「遊佐さん…怖いよ……」
「私が傍(そば)にいるのでご安心を。それより貴方達ですか?『チャーの家』で地上げをして売り上げの邪魔をしているというのは」
ちょうど5歩位の距離で不良紛いに話し掛ける。遊佐から見て左側には松下五段並の身長を持ち、顔が怖い。真ん中に身長に比例しない長いリーゼント頭を持っている。身長は大体、岩沢辺りだろう。
右側には兄貴に一生付いていくタイプの不良だろう。
「嬢ちゃん俺の友達にあんなことをしておいてただじゃ済まないって解ってるよなぁ?」
比例しないリーゼントを揺らし、威圧感を与えながら遊佐に聞くのだが顔色を変えずに堂々と見据えていた。
「日本語が解っていないのですか?私は『売り上げの邪魔をしているのか』と、聞いているのですよ」
その言葉を聞いた瞬間、アニキの血管が切れた様な感覚に陥った。
切れるというか、破裂に近い感覚だ。
「このクソガキがああああああああああああああああああ!!」
右に拳を作ると遊佐のほぼ顔面に向けて放った。
アニキの教えは、“いかなる場合でも女性には手を上げない”。
それはここにいる仲間も守り続けてきたが、初めてアニキが教えを感情に身を任せて破ってしまった。
両側に居る二人はいとも簡単に教えを破り手を上げるアニキを止める事は出来なかった。
そして、一度放たれた拳は戻ってくる事は無い。ただ、相手に向け突き刺さるだけ。
かと思いきや、遊佐に当たるはずの拳がビシュゥ!空を切る。
(な!)
初音と一緒にしゃがんだ。それだけの動作でかわされてしまった。
(アニキの正拳突きがかわされた!?)
遊佐は腕が伸びきった所を左脇に挟み、ぐるりと一緒にダンスの様に回る。そして、アニキと言われている右足に、左足を持ってくる。こんなに簡単に出来たのはアニキの体格が結構小さいからだろう。少なくも、遊佐よりは大きい。
(こいつ……!!)
アニキを盾にすることで巨大で重量感がある弟分と、藤巻並の身長を持っている弟分を牽制させる事が出来る。
そして遊佐は口をアニキの耳に近付け、呟いた。
「ズボンずれて下着が見えていますよ」
「「……………」」
だが、その呟きは仲間の耳に届いてしまった。
「あ…あの……それはその………」
大男が何かを伝えようとしたが言葉が聞こえなかった。
「気付いていたのですか?でしたら何故『ズボンずれて下着が見えている』と言わないのですか?」
「そ、それはふぁっしょんだよ!」
「ファッション?ズボンがずれて下着丸出しで恥さらししているのがですか?一体全体どうやってその思考回路に至るのですか?頭可笑しいのではないのですか?」
「あ!お兄さんパンツが黄ばんでる~!」
「こ、こら!お嬢ちゃん違うよ!ベンチに座ったら付いただけだから!!」
「え~?でも何か臭うよ?」
「!!」
仲間が気付いた途端、アニキの目には涙が溜まっていた………。
「と、いう訳ですゆりっぺさん」
「あ~……まあ、よく頑張ったわ。丁度、ムシャクシャしてたし誰かの泣いている所を見たかったのよ。で?あそこで初音ちゃんが木の枝でつついていて白くなっている男は?」
「哀れな男の末路です」
初音がつついている男はまったくの無反応であった。
************************************************
未来予告
「ちょっちゅね……目にメスが入ってしもうて………うわああああああああああああん!!」
「な゜っ!?」
「いつも腕に抱きついているリア充が何を言う!?ちなみに作者って『リア充』って言葉、最近知ったらしいよ!」
「あべし!?」
「おっ……ピン―――」
「浅はかなり」
「お…!やっと出番が来たと思ったら……知らないな」
「おや、りんりんさん肩にゴミが付いていますよ」
「んで?あたしらに何が出来る?」
「さあ、行こうよ!じゅうえんでも!後は私が出すよ!じゅうえんあれば、う○い棒が買える!!」
第??話
Taste of the lemon……? ‐甘酸っぱい……?‐
少し変更点があります。
「ちっくしょおおおおおお!お前なんか当たりのアイスが出ない呪いをかけてやる!うわああああ!!」
「あ…兄貴!!」
凄い柄の悪い服を着て、リーゼント頭で、わざとらしく腰辺り…いや、それ以下にズボンを履いて、いかにも悪だぜという感じを出していたのだが……その絵面が合っていない。大の大人が大男に泣きじゃくって両目が腫れている。チャーの『奴ら』とか言う奴らなのだろうか。
「遊佐さんすごーい!」
「いえいえ。お茶の子さいさいですよ」
急いで飛び出して来たメンバーは唖然としていた。
イケメンな男が明○のジョー並の白さで項垂れて、極め付きには大男に泣き付いているリーゼント頭。見ているだけで面白かった。
「遊佐さん…これは?」
ビミョーに気まずく、まず第一声を発したのは、ゆりだ。
「話せば長くなりますが、聞きたいですか?」
「いや、別にな」
「そうですか。そんなに聞きたいならしょうがないですね」
“長いなら聞かなくても”と言い掛けたのだが割られてしまった。
という訳で、回想
「へー…結構人が少なくなったな~」
バイクから腰パンをしながらも颯爽と降り、ヘルメットをアクセルのレバーへと掛ける。不良で言う、『兄貴』あたりだろう。
「貴方が色々やらかしたんでしょう?」
「………」
「それは触れてはいけない事実だ。羽方(はかた)」
それぞれ横に一列に並び、歩幅は違うがリーダーに合わせて歩く。
グループに必ず一人はイケメンがいる。合コンやら何やらで女性を釣る為だろう。そのイケメンは小さい女の子と遊んでいるツインテールの女の子に目を付けた。そして不良達が瞬(まばた)きをした頃にはツインテールの女の子の目の前に立っていた。ここから距離が15mもあるというのに。
ツインテールの女の子の白い左手を両手で包み込み、自分の胸の前に持っていく。
「お嬢さん?お茶でもいかがですか」
ツインテールの女の子は右手をイケメンな男、羽方に添える。
(これは脈あり……)
包み込まれている手を優しく手解(てほど)き、羽方の右手と左手を握り捻(ねじ)り上げる。
「いててててててててて!!?」
悲鳴を上げ、膝を付く。
ツインテールの女の子は淡々と侮蔑の言葉をイケメン男に吐く。
「その汚い手で触らないでもらえないでしょうか?貴方の様に女性なら誰でも良いという最低な男性とは付き合いたくもないですし、見たくもありません。私の視界から消え失せて下さい」
「!」
羽方は目の前が真っ暗になった感覚に襲われた。今まで女性に振られる事はなかったのだ。
「本気の恋をしたことないでしょう」
「!!」
羽方は大人しく隅に行き、代わりに3人がツインテールの女の子に近付いてくる。
一緒に遊んでいる小さい女の子はツインテールの女の子の後ろに隠れた。
「遊佐さん…怖いよ……」
「私が傍(そば)にいるのでご安心を。それより貴方達ですか?『チャーの家』で地上げをして売り上げの邪魔をしているというのは」
ちょうど5歩位の距離で不良紛いに話し掛ける。遊佐から見て左側には松下五段並の身長を持ち、顔が怖い。真ん中に身長に比例しない長いリーゼント頭を持っている。身長は大体、岩沢辺りだろう。
右側には兄貴に一生付いていくタイプの不良だろう。
「嬢ちゃん俺の友達にあんなことをしておいてただじゃ済まないって解ってるよなぁ?」
比例しないリーゼントを揺らし、威圧感を与えながら遊佐に聞くのだが顔色を変えずに堂々と見据えていた。
「日本語が解っていないのですか?私は『売り上げの邪魔をしているのか』と、聞いているのですよ」
その言葉を聞いた瞬間、アニキの血管が切れた様な感覚に陥った。
切れるというか、破裂に近い感覚だ。
「このクソガキがああああああああああああああああああ!!」
右に拳を作ると遊佐のほぼ顔面に向けて放った。
アニキの教えは、“いかなる場合でも女性には手を上げない”。
それはここにいる仲間も守り続けてきたが、初めてアニキが教えを感情に身を任せて破ってしまった。
両側に居る二人はいとも簡単に教えを破り手を上げるアニキを止める事は出来なかった。
そして、一度放たれた拳は戻ってくる事は無い。ただ、相手に向け突き刺さるだけ。
かと思いきや、遊佐に当たるはずの拳がビシュゥ!空を切る。
(な!)
初音と一緒にしゃがんだ。それだけの動作でかわされてしまった。
(アニキの正拳突きがかわされた!?)
遊佐は腕が伸びきった所を左脇に挟み、ぐるりと一緒にダンスの様に回る。そして、アニキと言われている右足に、左足を持ってくる。こんなに簡単に出来たのはアニキの体格が結構小さいからだろう。少なくも、遊佐よりは大きい。
(こいつ……!!)
アニキを盾にすることで巨大で重量感がある弟分と、藤巻並の身長を持っている弟分を牽制させる事が出来る。
そして遊佐は口をアニキの耳に近付け、呟いた。
「ズボンずれて下着が見えていますよ」
「「……………」」
だが、その呟きは仲間の耳に届いてしまった。
「あ…あの……それはその………」
大男が何かを伝えようとしたが言葉が聞こえなかった。
「気付いていたのですか?でしたら何故『ズボンずれて下着が見えている』と言わないのですか?」
「そ、それはふぁっしょんだよ!」
「ファッション?ズボンがずれて下着丸出しで恥さらししているのがですか?一体全体どうやってその思考回路に至るのですか?頭可笑しいのではないのですか?」
「あ!お兄さんパンツが黄ばんでる~!」
「こ、こら!お嬢ちゃん違うよ!ベンチに座ったら付いただけだから!!」
「え~?でも何か臭うよ?」
「!!」
仲間が気付いた途端、アニキの目には涙が溜まっていた………。
「と、いう訳ですゆりっぺさん」
「あ~……まあ、よく頑張ったわ。丁度、ムシャクシャしてたし誰かの泣いている所を見たかったのよ。で?あそこで初音ちゃんが木の枝でつついていて白くなっている男は?」
「哀れな男の末路です」
初音がつついている男はまったくの無反応であった。
************************************************
未来予告
「ちょっちゅね……目にメスが入ってしもうて………うわああああああああああああん!!」
「な゜っ!?」
「いつも腕に抱きついているリア充が何を言う!?ちなみに作者って『リア充』って言葉、最近知ったらしいよ!」
「あべし!?」
「おっ……ピン―――」
「浅はかなり」
「お…!やっと出番が来たと思ったら……知らないな」
「おや、りんりんさん肩にゴミが付いていますよ」
「んで?あたしらに何が出来る?」
「さあ、行こうよ!じゅうえんでも!後は私が出すよ!じゅうえんあれば、う○い棒が買える!!」
第??話
Taste of the lemon……? ‐甘酸っぱい……?‐
少し変更点があります。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影