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Angel Beats! ~君と~

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第46.5話 藁を掴んだって助からないよ。 あの後

特に異常が無いと判断した医院長は出産を控えている患者が居る為に帰った(チャーの小型推進エンジンで)。“何でもトライだ!”をモットーに生きているのだとか。
そして謎が残った。
何故、特殊メイクをしているのか。
何故、特殊メイクをする必要性があるのか。
何故、老人に化ける必要性があるのか。
何故、空中から登場したのか。
と。

「まず、一つ目は解けたわね」

「さすがゆりっぺ!!で、何だその理由は!」

「何故、空中から登場したのか、と言うと最近出番が無いから派手に尚且つ、読者に印章を与える為よ」

「目立ちたがり屋さんですね随分と……、ですがどうやって聞かせたのでしょう?」

大山に抱き付いている某少女に筋肉より顔面が人の数倍腫れ上がっている高松は眼鏡を拭きながら訪ねる。
一方の初音は遊佐に手当てが行われているが、単純に日陰で膝枕して寝かせているだけだ。

「それは良いとして音無君の事を溺愛する程、心配していたけど何なのかしら?」

「あ…えっとなー……まあ、義理の父親」

「ふーん…ミッショ○インポッシブルのトム○ルーズみたいにカッコいい登場したけど風を読めずに壁に激突した残念トム○ルーズが義理のお父さん……え?義理?」

「ああ。義理」

「離婚して再婚したのがあの人?」

「違う」

「両親の都合上で住まわせてもらってるとか?」

「違う」

「ただのおじさん?」

「違う」

「違う違う違う言って何なのよ!他の事言いなさいよ!!答えでも良いわ!言いなさい!」

一言しか言わない結弦にイライラしたゆりは大きな声でツッコんだ。

「あー……まぁ………身寄りが無い俺達を引き取ってくれたんだ」

「引き取った…?」

「ああ。母さんは初音を産んだ時に死んだらしくて、父さんは初音が12歳になった次の日に原因不明の自殺。それで」

「うわあああああああ!!ストップストップ!!もう良いからね音無君!それ以上話さなくて良いから!!」

“とてもマズイ事情”と言う名前のタンスを開けてしまったゆりは後悔した。そして、海パンが破けてしまった理由(わけ)も分かってしまった。
















チャーの家では、

「なあ、……ケン…」

身体が巨大だけの取り柄で強面だが、内面が臆病な大男を羽方は呼んだ。

「何か用でも?」

「気付いたよ。魅力的な女性達と付き合っても心が……、空っぽな理由が………」

羽方の役目はアニキがカツアゲしている男の彼女を巻き込まない様に声を掛け、そしてカツアゲし終わったアニキの目を盗んでカツアゲされた男の代金を後の二人が払う。
つまりは他の三人の仲間はアニキの被害を最小限に止(とど)めていただけで、尻拭いをしているだけだった。
そんな羽方は幾重の女性達と浮気し、現在に至るまで心の隙間を埋められない理由を導きだした。

「私は……ホモだったんだ……」

「………………………」

「大山君だっけ?どの女性にもトキメかなかったのに、あの子には雷が落ちたみたいに電撃の恋がした。自分でも認めたくはないが、君達と一緒に居る方が合コンの時より楽しいし、その感じが等しいぐらい大山君を愛おしく思う。だから……」

「だからと言ってどうやったらその結論に至るんだ?!」
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影