Another Beats!
「麻婆豆腐食べないのか?」
「ひゃあ!?」
瞬間移動でもしたのか、生徒会長は後ろに現れた。
「驚かせて悪い。で、どうする、違うもの食べるか?俺がその麻婆豆腐を食べてやるよ」
「じゃあ、お言葉に甘えて……って会長さん、辛いもの好きなの?」
驚かされたせいか、舌の麻痺状態がやっと切れた。
「いや、もう慣れた。それに、アイツとの思い出の食べ物だからな……」
最後に言ったことは残念ながら聞こえはしなかったが、代わりに表情が暗くなったようなのは気のせいかもしれない。
少女に900円程手渡すと、席に着いた。
「どうせお前のことだ職員室に行こうにも行けなく、場所をNPCに聞くのも嫌だったんだろう?」
「う…うん」
こうして少女の短い夕方(よる)は終わったのだった。
作品名:Another Beats! 作家名:幻影