Another Beats!
第三話
少女はつまらなかった。
自分は何で小さいんだ、と。
少女は身長は低い方で、来た時にはもう制服が合っておらずしかもここの世界にはオーダーメイドが無いらしい。融通が効かない世界なのだろうか。
そこで、
「かいちょーさん!!私にエンジェルぷれいやーを使わして!!!」
生徒会室に来た。
「急だな。どうした?」
「会長さん、私の事どう思う!?」
「え?……いや、普通の女の子だと思うけど………」
「そ・う・じゃ・な・く・て!!全体的に私を見て!」
「……普通だと思うけどな…」
「もー!解ってない!私の『身長が低い~』とかさ、『ちっちゃい~』とか、『幼児体型』とか、『おっぱい小さい』とか!!なんか言う事あるでしょ!!」
生徒会長の目の前へと走り、机を小さい両手でバンバンと叩き訴える。
「いや、人それぞれだし……身体が小さくても、幼児体型でも、胸が小さくても、それでもお前はお前だ。お前以外に何がある?」
「えんじぇるぷれいやーを一回でも良いから使わして!お願い!!」
「何があった?」
「うー……男の子には解らない悩みさ!」
「それで『Angel Player』を使いたいと、」
「うん!使わして!それで私はナイスバディになる!!」
「悪い、その『Angel Player』は壊した」
「何でよ!!」
「あれはこの世界で起きた戦争の元凶だ。二度と使えないように燃やして、粉々にして、燃やして、燃やして、燃やして」
「何回燃やしたの!?かいちょーさんのバカー!!ひどいよ!私の未練どうしてくれるの!?うぁあああああああああああん!!」
生徒会室のドアを小さい身体なのにも関わらず軽々と蹴破り、涙を流しながら外へ出て行ってしまった。
たった独りになってしまった生徒会室で会長は思った。
「ああいうヤツの為に取っとけば良かったな……」
頭を抱えた。
第二コンピュータ室へと『Angel Player』を探そうと思ったが、あの壊れ様は到底無理だろう。全部壊れていて修復不可能だ。
「はぁ………」
作品名:Another Beats! 作家名:幻影