キリトの危機
「なんだよクライ・・・」
振り返るとそこにはクラインではなく、別人が立っていた。
「じゃなかった・・。いやぁ、なんかその呼び方をされると
ついクラインと間違えるんだよなぁ。悪かった。」
「ああ、いいんだ。気にしてないでくれ。」
「えっと、確か風林火山に新しく入った・・・名前が・・・。」
「Xと呼んでくれ。そうだ。X!だ。ってお前、完全に今ふざけてるよなぁ。」
「まぁそういうな、キリト」
「で、X。何か用があったんじゃないのか?」
「さすがは飲み込みが早いな。私が見込んだ男だけのことはある」
「いや、単に名前を思いだすまでXと呼ぼうと思っただけさ」
「なるほど、お前らしいなぁ。」
そういうと、Xは微笑んだ。
「まぁ立ち話もなんだしキリト。あそこの木の陰に座って話さないか。」
「ああ、そうだなぁ。」
Xに言われ、木の陰に座る。
「ところでキリト。もうカーディナルからの告知は見たのであろうなぁ?」
「ああ、あれだろ?確か最近、実装された新装備の・・・。」
「呪いの武器だ。たく貴様というやつは。がしかし、そういう一面も私は悪くないと思っている。」
「褒めてるんだよな?」
「当たり前だ。私はお前を好きだと言っている!」
「ちょおま!何いきなり言い出すんだ」
「何って?私は率直な感想をだなぁ・・・。」
「率直すぎるし!」
「なら、間接的に・・・。」
「簡便してください!」
俺はXに土下座する。
「なら許してあげようかなぁ?」
「ああ、助かった。」
とつい返事してしまったが、この声は・・。
「アスナ?!」
顔をあげると、Xの横にアスナが立っていた。
「こんにちは。X、キリト君」
「やぁ久しいなぁ、アスナ。アスナもキリトと一緒に座って話さないか?」
「私はいいよ。後でキ・リ・ト君に聞くから。じゃ私はこれで。」
「おーいアスナ?ってもうあんな遠くに・・・。何なんだ一体。
なぁキリト?」
キリトに視線を送ると、キリトが手を抱えて震えていた。
「どおしたキリト?寒いのか?」
「さ、さっき・・・。お前のことXって・・・」