シドvsカミュ
クール対決
柱の並ぶ神殿に足を踏み入れたカミュ。
すると、その前方に1人の青年が立ち塞がった。
『お前が、アクエリアスのカミュか?』
『・・・・そうだ。お前がミザールのシドだな?』
『ふっ、その通り。そしてここがお前の墓場になる場所だ!!』
と、いきなりシドは構えを取ると、カミュに向かって技を放った。
『食らえ!バイキングタイガークロ~ウ!!』
シドの凍気の拳圧によって、シドの爪で切り裂かれた跡が見事に氷付く。
だが、
『・・・・その程度の凍気か?』
カミュは、マントを翻すこともせず、微動だにせずに、涼しい顔で言い放った。
『なに!?』
『北の果て、極寒のアスガルドの神闘士の拳・・・・さぞや凄まじい凍気の持ち主かと思いきや、なんのことはない。その程度では、このカミュを倒すことなど到底叶わぬ・・・・』
『・・・・くっ!!』
シドは、自分の凍気を否定されたようで、歯噛みした。
『ならばこれはどうだ!、ブルーインパルス!!!』
今度こそ、本当の凍気の拳を繰り出すシド。
だが、やはりカミュはそれをかわすことも、避けることもせずに、1歩足を引いてその身に受けた。
『やったか?!』
シドが固唾を呑んで見守る中、カミュは変わらずそこにいた。
多少、体の表面や黄金聖衣が凍り付いていたが、それだけだった。
『・・・ふっ、やはり甘いな。この程度の凍気では、私の皮膚一枚凍らせることはできても、それだけだ』
『・・・なっ!?』
シドは驚愕した。
さすがは水と氷の魔術師・アクエリアスのカミュだ。
シドの凍気が全然効かないとは。
『なっ、なぜだ・・・!?』
そんな驚愕するシドに、カミュはすっと向き直ると、おもむろに聞いてきた。
『・・・絶対零度とはなんだ?、答えろシド』
『な、絶対零度だと・・・・?』
いきなり質問され、答えに困るシド。
するとカミュは、おもむろに両手を頭上で組んだあの格好をとった。
そう、アクエリアス・カミュの最大の奥義・オーロラエクスキューションだ。
『知りたいか?、ならば教えてやろう。このカミュ最大の奥義・オーロラエクスキューションによって!!』
そしてカミュは、その腕の聖衣のパーツが重なり水瓶のかたちをとった両腕を振り下ろした。
『オーロラ・エクスキューション!!!』
もの凄い凍気がシドを襲う。
『・・・クッ!!!』
シドは耐えた、が、
耐え切れず、皮膚が、体が、神闘衣がみるみる氷付いていく。
このままではヤバイ!!
全身が骨の髄まで氷付きそうだ。
そして・・・・
シドは辛うじて倒れることなくその場に立っていたが、すでに意識はなかった。
『・・・このカミュのオーロラエクスキューションを受けて立っていられたのは、氷河以外ではお前が初めてだ。よって敬意を表し、この私自らフリージングコフィンによって、永遠にその姿のまま朽ちることもなく、この氷の棺の中で眠らせてやろう・・・そう、永遠にな・・・・・』
と、シドにフリージングコフィンをかけようとするカミュ。
が、それを柱の陰でこっそり見ていたバドが慌てて止めようとした、まさにその時!!