ほっぺたぷにぷに
「おい、アンディ」
後ろから何気なく肩を叩かれ、名前を呼ばれて、『ん?』とアンディは振り向く。
すると、頬に軽く指の当たる感覚。
そして、それは遠慮なく埋まってきた。
アンディの目にニヤけ顔のウォルターが映る。
「なに……」
してるんだよ、と言いたかったが、指がまだしつこく頬をつついてくるのでうまく喋れない。
「いい加減にっ……」
のけぞって逃れようとしたが、今度は手がアンディの頬をつまんだ。
「なっ……」
驚いて見開いた目には、今や不思議そうな顔をしたウォルターが映る。
ふにっと確かめるように頬をつまんだウォルターは、なんだか少し困ったような顔をしてアンディを眺め、ためらいがちに言った。
「……なんか入ってる? これ」
「そんなわけないだろっ」
手を振り払って怒鳴る。
ウォルターは笑っていた。
「いや、ないとは思うけどさ。ガキだなぁ、アンディ」
「どっちがだよっ……!!」
怒りに肩を震わせる。
さっきから、やることなすこと子どもっぽいのはウォルターだ。
絶対そうだ。
(おしまい)