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平行な道を並んで歩く

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帝人君、

呼ばれた名前に振り返れば貴方がいた。


【平行な道を並んで歩く】



こうして肩を並べているだけでも彼にとっては日常の一部でしかない。
けれど、僕の日常の一部であることにも変わりはないのだけれど。

「帝人君、君は恋より愛が何故重いのか知っているかい?」
「…言葉の響きがそうだからですか?」

彼のから送られる言葉たちには何一つ意味は無い。
在るのはそこから見える彼の興味だけで、意味は無い。

見上げたいつもの空。
爽やかな青に白い雲。

「うーん、惜しいかもね」

実存は本質に先立つ、人間が創造主の何の目的で作られたとかではない。
ただ偶然に在るだけのことで僕等人間には全く意味の無いことなんだ。


「ほら、記念日によく愛を花に代えて贈るだろう?一般的に多いのから見て情熱や燃えるような愛の意味を持つ薔薇が多い。だけど薔薇にも種様々な違う意味がある。その意味はたくさんあって、しかも面倒なことに色が違うだけで意味も違ってくる。これはややこしい、で片付けられてしまっても仕方ないかもね。まぁ、そこが花言葉っていう醍醐味なんだけど」
「はぁ」
「意味があるから、言葉が成り立つのであってまた逆も然り」

結局のところ、彼は何が言いたいんだろうと考えてみるとして。
こうやって彼は僕に対して何かを伝えようとしているんだと思った。

「これだから情緒あふれる世界は楽しい。帝人君もそう思うでしょ?」
「…すいません」

その考えは、僕にしては出来過ぎていたかもしれない。
毎度のことながら僕には到底理解出来ない難題を突きつけるように話捲くし立てる彼のことをどうしてか、自分のことが理解出来ていないのに分かっているように錯覚してしまっている自分がいることに気付く。

「あぁ、いいんだよ。君が理解出来ないことくらい分かる。だけど敢えて君に言ったのは、」


──僕等は似ている、互いを知りすぎていた。

だけどその理由は別に僕だから分かる、というわけではなく。
一緒にいたらおのずと伝わって感じてしまうというわけで。

「俺が君を気に入っているから、かな」

口先から出る言葉の一つ一つに感じる。
ナイフのような、愛のような、鋭利なもの。

「そしてつまりは」

雑踏、人込みに紛れながらの他愛ない話。
電信音に機械音を交えて声域のノイズ。

「それを使った人間の、込めた思いの重さなんだ」

こうして日常を断片的としか考えて思っていない僕は、…いや違った。
僕等は、完璧に道を踏み外して脱線しているにも関わらずに終着の果てへ。
目指す場所は同じところでそこまでの道のりも変わらず同じだと分かったんだ。

「──…臨也さん」
「何かな」

そして僕の心の片隅に恋にも似た感情。
これを愛に変換することは可能だろうか。

「僕は臨也さんと同じ道を歩いていきます」


fin.