さわらぬ神に祟り無し
トテトテ
昌浩が晴明の自室に入って来るところを見た晴明はそれはもうだらしなく破顔した
晴明「昌浩、どうした?」
昌浩「じいさまとれーんとあそぼーとおもってー」
ニコニコしながら昌浩が言ってきた
それを聞いた晴明と紅蓮は困った顔になった
紅蓮「昌浩…晴明と俺はこれから出掛けなきゃならんのだ」
晴明「そうなんじゃ…すまないな、昌浩」
そう言うと昌浩は悲しげな顔をした、晴明と紅蓮は慌てて
晴明「用事が終わったらすぐに帰ってくるから、な?紅蓮」
紅蓮「あ、ああ」
昌浩「ほんとに?すぐに帰ってくる?」
瞳に涙を溜めながら昌浩が聞いた
晴明「ほんとだとも!おお、そうじゃそれまで勾陳達に遊んでもらいなさい」
紅蓮「!?」
紅蓮は驚きに目を見開いた
晴明「ほれ!勾陳、青龍、天一、朱雀、太陰、玄武」
晴明が呼んだとたんそこに数名の神将が現れた
勾陳「なにようだ、晴明」
晴明「なに、ちとお前らに頼みがあっての~」
太陰「なんなの?頼みって」
「実はのう…わしと紅蓮はこれから出かけなきゃならんのじゃがその間昌浩の面倒を見ておってほしくてのう」
「「「「「わかった/わ/わかりました/」」」」」
青龍を除くみんなが了承したのを確認してから晴明の言葉を聞いたとたん青龍が即行に陰形しようとした青龍を晴明が呼び止めた
「青龍、待て」
「……なんだ」
青龍はそれはもう不機嫌な顔で聞いた、それを見ていた太陰が怯えて玄武の後ろに隠れてしまった
「わしはお前にも言ってるんじゃがのう」
「こんなに神将がいるんだ俺はいいだろう」
「だめじゃ」
「…晴明、それは命令か」
「そうじゃよ」
「………………わかった」
晴明がそう言ったとたん青龍はたっぷり間をあけて渋々頷いた
作品名:さわらぬ神に祟り無し 作家名:夕月