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「かわいそうなのはどちらでしょう?」

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 今日も今日とて、相棒に群がうカラフルな色の集団を見て青峰は、皮肉げな笑みを浮かべた。

馬鹿な奴ら。

 内心で小さく呟く。

先が見えても、諦めることができないでいる赤も。

自信がないくせに、何度も同じことを繰り返す桃色も。

自分の好意を押し付けるだけで、あいつの思いを無視する黄色も。

正直になれなくて、ムキになるほどにあいつから遠ざかっていくだけの緑も。

気を引こうとして、わざと衝突する不器用な紫も。

 みんなみんな馬鹿みたいだ。
特別になりたいのなら、ありふれていてはいけない。
 ありふれたものに、心惹かれる者なんてありはしない。
愛情がありふれているというのなら、それはもはや特別ではない。

 あいつが欲しがっているもの、それは友情だ。だから、それをあいつにやれる俺こそが特別だ。
 そんな、単純なことに気付かないなんて。

「ほんと、馬鹿ばっかだぜ。」

小さい声で言ったはずだが、聞こえていたらしく、黄色と緑が振り返る。
 それに哄笑しそうになる口元を引き締めて、眉を顰める。

これだけで、不機嫌そうな顔の出来上がりだ。

「テツー、一緒に帰ろうぜ」

さらに、いつもより少し低い声色を作れば少し慌てたように見える相棒が周りにいた群れに言い放つ。

「あ、では青峰君が呼んでますからボクはもう帰りますね!」

その瞬間に、夥しい殺気を感じるがすべて無視をする。所詮は、負け犬の遠吠えだ。
なのに、心のどこかで、誰かが問いかける。

『本当にこれでいいの?』
『本当に愚かなのはどっち?』
『本当にそれが正しいのか?』
『本当はどーなの?』
『本当は、奴らが羨ましいんじゃないのか?』
『ねぇ、この場合は可哀想なのはどっちなんでしょうか?』
「!?」

深く深く、トゲが刺さったときみたいな抉られる痛みと圧迫感と熱さを感じた。
 そして、それらが止んだあとに残ったものは芯から冷えるような冷たさだけだった。







そう、決して後悔なんかじゃない。