GIFT TO YOU
「おっ、おぉお疲れ様でした、津軽さんっ!」
「おぅ、ありがとな学天。・・・ってお前どうした?大丈夫か?」
「えっ?えぇぇっ、だっ、大丈夫ですっ、よ!全然大丈夫」
「に、見えねぇから言ってんだが・・・」
「きっ、緊張してしまって・・・あはは・・・」
「珍しいなぁ。お前がそこまであがるなんて。」
「僕はこれでも小心者なんです!・・・だって、大先輩で憧れの津軽さんの、直ぐ後なんですよ?恐れ多いやらプレッシャーやら・・・」
「ふっ、んだそれ。」
「とっ、兎に角!歌詞を忘れないようにするのに精一杯なんですっ。」
「ったく、仕方ねぇなぁ。」
「えっ・・・ぅわっ、」
「呼吸を合わせろ。心臓の音は聞こえるな?・・・落着いてきたか。これならいけるだろ。」
「―――・・・別の意味で落着きませんが、はい、大丈夫になりました。」
「ん。お前なら大丈夫だ。」
「はいっ!!ありがとうございます!!!」
「終わったら俺の楽屋、な。」
「はい、一緒にお菓子食べましょうね。」
「楽しみしてる。―――暴れてこいよ、ステージで。」
【了】
作品名:GIFT TO YOU 作家名:Kake-rA