プリキュアオールスターズNew stage 思いよ届け光の絆
中は薄暗く、湿っていていかにも何か出そうな雰囲気を醸し出していた。そんな洋館の廊下を歩く一人の少女。
「ったく…フュージョンったら情けない…。」
どうも彼女は苛立っているようだ。
ちなみに、彼女は『黒乃メイ』。邪悪の神ブラックホールがプリキュア達のチカラにより消滅する際に作り出した分身体であり、またブラックホール自身が復活した時の新たな器になる存在である。
そして、彼女は闇のチカラを使って暗黒のプリキュアへと変身する。
「ブラックホール様復活の機会を潰してくれちゃって…もう!私の計画がブチ壊しよ!…」
「全くでありますな~。メイ殿…あなた様ご自慢のフュージョンがまさか人間の小娘ごときに諭されてしまうとは…」
緑色の顔をした身の丈5・60cmくらいの年寄りの姿をした異形がゴマを刷りながら彼女を宥める。
少女を宥める異形の名前は『ゴーヤーン』。
かつて、『緑の郷』…地球を滅びの力で消し去ろうとした悪の組織『ダークフォール』の支配者である。
プリキュアに倒された後、ゴーヤーンの邪悪な魂は邪悪の神ブラックホールの一部となり、その後はメイと共に行動していた。
「確かに迂闊だったわ。それほど、人の可能性っていうのは未知数ってことよ。」
「では、次の作戦はどうするおつもりで…?」
「私自身が行くわ。」
「は?メイ殿が自ら赴くのですか?」
ゴーヤーンはいつも飄々としているが、彼女の言った今の一言を聞いて表情が変わり、思わず彼女に聞き返してしまった。
「ええ、もちろんよ!もう、うかうかしてられないわ…!アナタ達も準備は出来ているんでしょ?ゴーヤーン…」
「はい。先ほど皇帝ピエーロの魂も無事に回収し復活させました…全員、揃い踏みです。いつでも行けますよ。ククク…」
「そう…では、行きましょうか?今度こそ世界は我ら闇の住人が支配するのよ!アハハハ!アハハハ!……」
少女は高笑いと共に廊下の暗闇に消えて行った。
次回につづく。