【ギャグマンガ日和】小さな鬼
―昔、昔。 小さな村に、1人の小さな鬼がいました。
人間の耳が生えているのに角が生えているので、村の子供たちは鬼をいじめていました。
けど、その鬼には名前はありません。
鬼の記憶には、お母さんがいません。記憶と存在が消えてしまったのです。
だから、自分が何ていう名前なのかも、忘れてしまったのです。
村の人々は、そんな鬼の事を
“鬼男”と、呼んでいるのです。
鬼男は朝起きると、すぐ近くにある水溜まりに行きます。
そして、自分の姿を見てこう言うのです。
『あぁ、まだ角が取れない』
自分の手でも触って確認します。
鬼男は、大きくなったら角が取れると思っているのです。
そうしていると、村の子供達がやって来ました。
『鬼男!今日も角取れねーのかっ!!アッハハハ!!大人になれないぞー?』
『と、取れるよ・・・!ちゃんと角が取れて、大人になるんだ!』
子供達のなかでのリーダのような子が鬼男に言いました。
これは、毎日言う言葉。
“角が取れれば大人になれる”
鬼男はそれを信じているので、毎日毎日、朝起きて、夜寝る前と、水溜まりに行っては自分の頭を見て、角が消えていないか確認しているのです。
本当は、角なんか取れる筈もないのに。
鬼男は、そんな希望を思いながら
子供は、そんな希望を言いながら
笑っているのです。
毎日毎日、毎日毎日。
人間の耳が生えているのに角が生えているので、村の子供たちは鬼をいじめていました。
けど、その鬼には名前はありません。
鬼の記憶には、お母さんがいません。記憶と存在が消えてしまったのです。
だから、自分が何ていう名前なのかも、忘れてしまったのです。
村の人々は、そんな鬼の事を
“鬼男”と、呼んでいるのです。
鬼男は朝起きると、すぐ近くにある水溜まりに行きます。
そして、自分の姿を見てこう言うのです。
『あぁ、まだ角が取れない』
自分の手でも触って確認します。
鬼男は、大きくなったら角が取れると思っているのです。
そうしていると、村の子供達がやって来ました。
『鬼男!今日も角取れねーのかっ!!アッハハハ!!大人になれないぞー?』
『と、取れるよ・・・!ちゃんと角が取れて、大人になるんだ!』
子供達のなかでのリーダのような子が鬼男に言いました。
これは、毎日言う言葉。
“角が取れれば大人になれる”
鬼男はそれを信じているので、毎日毎日、朝起きて、夜寝る前と、水溜まりに行っては自分の頭を見て、角が消えていないか確認しているのです。
本当は、角なんか取れる筈もないのに。
鬼男は、そんな希望を思いながら
子供は、そんな希望を言いながら
笑っているのです。
毎日毎日、毎日毎日。
作品名:【ギャグマンガ日和】小さな鬼 作家名:淺香 悠衣