誰かとじゃなく、あなたと
「え、MR-S…?」
「ひどい」
「?」
「ダブルバースト」
「おじゃ…きっとMR-Sも誰かとかっこいいダブルバーストができるでおじゃる!」
「…そっか」
MR-Sはそう言うと、パッと手を離した。抱き上げられていたのに手を離されたから、当然、ペンリーは地面に落ちるわけで。
「いだぁっ!?」
何か気に障る事を言っただろうか。痛みにもんどりうちつつ考えていると、いつの間にかMR-Sの姿が消えていた。
「MR-Sー?…どこに行ったのでおじゃる?」
ペンリーはふらふらと立ち上がると、変形しMR-Sを探しはじめた。
「誰かと、か」
天井からぶら下がり、ぽそり、と、呟く。
誰かとじゃなく、あなたと。
作品名:誰かとじゃなく、あなたと 作家名:ぷるぶ