ネズミと猫の話
今日という今日は、あの忌々しい猫に仕返しをしたい。
そこで私は考えた。とって起きの秘策を!!
まずは、あの猫をおびき寄せることから始めよう。
そのために、猫ジャラシを使う。
さぁ、来い!!猫!
穴蔵の前で、口笛を合図に、猫ジャラシを全力で振り回す。
猫は猫ジャラシを目にした途端。夢中で猫ジャラシに猛突進した。
そこで、私は、猫ジャラシと共に穴蔵の中に引っ込む。
穴の中に、猫の顔が一緒に付いてきたため、
すかさず、あらかじめ容易していた、フォークで彼の口を突き刺す。
痛みに我慢できず、猫の目が転げ落ちた。さっそく、私は猫の目玉をボールのように蹴飛ばした。
壁にぶちあったった目玉は、ガラスのように四散し、綺麗なライトエフェクトが残った。
4段ある猫のライフバーが一本削れた。ここまでは順調のようだ。
猫は正気を取り戻し、顔を穴の外に戻した。
やつをもう一度、猫ジャラシでおびき寄せる手もあるが、さすがのやつもバカではない。
私は穴蔵でしばらく考えていると、とてもいい香りがする。この臭いは・・・。
ああ、ダメだ。私の意識が遠のく。
我に返ったとき、私は彼の左手で手首を掴まれていた。
しまった!私としたことが!!
こんな単純な手に引っかかるとは。
私の目の前で、猫がチーズを大きな口の中にほおりこむ。。
糞っ!私のチーズが!!!
そして、私もチーズの後を追って、口の中にほおりこまれた。
私は胃の中に潜り込むと、チーズを迷わず口の中にほおりこんだ!
チーズを奪取すると、私は胃に噛み付いた。
大きな振動を感じる。彼のHPバーを確認すると、ライフバーが1本削れていた。
もう一息だ。私は勝利を確信した。だがそのときだ!!
排水口のようなものに、ものすごい勢いで引き込まれる。
やばい。飲み込まれる!!!
必死の抵抗もむなしく私はその排水口へと引きずり込まれた。
そして、私は流れ流れされ、やっと光が見えた。
光の先は、トイレの排水口だった。
やつめ、私をこのまま、流しきるつもりだな。そうは行くか!!
ネズミは排水口の壁を背に、尻尾へ目掛けて跳躍し、
彼の尻尾を掴むと、私の代わりに尻尾を排水口におしやった。
すると、猫はうめき声を上げながら、トイレに飲み込まれていった。
私は勝ったのか?!いや、まだ安心はできない。
念のため、私は、やつのライブバーを確認した。
どうやら、まだライブバーが一本残っているらしい。
そう簡単には勝たせてくれないということか。
私は部屋に戻り、酸素ボンベとウェットスーツに身を固めた。
そして、鋭利な刃物が付いたモリを持つと、
すかさず、トイレの排水口へとダイブした。
やつにトドメを刺すために・・・!
暗い暗いトンネルの中を、頭のヘッドライトを頼りに、突き進む。
どこだ、どこへ行った・・・
ヘッドライトに二つの赤い光源らしいものが見えた。
これは・・・まさか・・・
気が付いた時には、私は酸素ボンベを奪われていた。
猫の形勢逆転である。
もがき苦しみながら、俺は自分のライフバーを確認した。
さっきまで、イエローゾーンにあったライフは既にレッドゾーンに達していた。
このままでは俺は死ぬ・・・。なにか・・・なにか・・・策はないか・・・・・・
猫が勝利を確信したように、手に持ったハンカチを振りながら、俺を見つめていた・・・
やつにやつにかつ方法は・・・。そうだ。この手があった!!!
全力で下半身に力を込め、膀胱の中身を水の中にさらけだした。
やつの顔色が青ざめた。同時にやつのライフバーも見る見る減っていく・・・
俺は、やつにモリの照準を向けた。終わりだ。猫!!
次の瞬間、猫はガラスの破片のように四散。綺麗なエフェクト光が残った。
どうやら、酸素ボンベも一緒に道ずれに、あの世に持っていったらしい。
いいだろう。それくらいくれてやろう。
これで・・・良かったんだよなぁ・・・なぁ・・・
「おきろってば!!」
「ふがっ!!」
気が付くと俺の目の前には、妹である直葉が俺の目の前に居た。
「あれ?俺は猫を倒して・・・」
「何ねぼけてんのよ!早く起きないと、遅刻するわよ!!」
「なぁ、直葉~」
「何、お兄ちゃん?」
「俺の世界地図、綺麗だろ?」
妹が両手に持った布団に目を降ろす。
「お兄ちゃんのばかあああああああ」