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蒼氷(そうひ)@ついった
蒼氷(そうひ)@ついった
novelistID. 2916
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抒情詩

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「イチゴ牛乳?」

友人が手に取ったピンク色の紙パックを見て、新羅は訝しげに声を上げた。
無糖の缶コーヒーや緑茶を飲む姿ばかりを目にしていたせいで、それはどうしても彼のイメージにそぐわない。
デフォルメされ、太い曲線で描かれた苺のイラスト。
彼の掌に収められたそのポップなパッケージは、酷く新鮮に新羅の目に映った。
ざわざわとした昼時の喧騒が埋める廊下の隅の、自動販売機から吐き出されたそれ。
いつも通りの喧嘩を繰り広げて怪我をした彼らを屋上に残し、チャイムがなると同時に京平と買出しに出る。
いつの間にか普通になっていた、それが僕達の日常。
聞かなくとも好みのパンが分かるくらいには、この数ヶ月で距離も縮まった。
友人、というものの定義は曖昧だが恐らく、自分と彼らはそれにカテゴライズされるのだと思う。
そうして一度遠慮の要らない関係になってしまえば、新羅にとって友人二人の些細な怪我よりも校内名物の人気パンの売り切れの方がよっぽど心配事である。

「京平が飲むの、それ?」
「いや、臨也が」
「え、」

またもや意外な名前が出た。
見た目にそぐわず甘党な彼――静雄ならともかく、だ。

「臨也が?」
「そう」
「静雄の前で、そういう甘いのを飲むとは思えないんだけど」
「だろうな」

じゃあ、どうして。

「静雄がいる時に渡すなんて、誰が言った」

にこり、と春風を呼び込むような笑顔で笑う。
嗚呼、彼もまた自分と同じ人間なのだと、新羅は悟った。
作品名:抒情詩 作家名:蒼氷(そうひ)@ついった