グランギニョールは微笑んだ 第一章
とある中尉の追憶
――パラダイス事件から数日後、パラダイスは破棄される事になった。
しかし、顔を浮かべられない人物が居た。
――あの少年は、何者なんだ?
ジャック・ジェラート中尉は疑問視していた。
――それは2日前、ジャックが軍事演習をしていた時の事だ。
「スピードが遅い!」
ライディングソーサに乗っているのは、かつて海道義光が愛用していた月光丸。其れを操作していたのは老けた顔をしていた男だった。
「相変わらずの剣技だな!ジン・ウヅギ!」
プロトIを操作しているジャックには月光丸など敵ではなかった。――が、銃を弾き飛ばされてしまったのだ。月光丸には侮れないな。と思うジャック。
彼はジン・ウヅギ。元軍にして今は現役引退をしている男であり、刀を使って戦う男だった。
「これならどう…ん?」
ジャックは何かに気づき、ジンはどうした?と言う。そこに現れたのは謎の黒いLBXだった。
「…あれは一体…?」
そして対を成すように現れたのは、――キラードロイド。
「…キラードロイド!?全軍、迎撃体制に…ん?」
ジャックが異変に察知したのはその後だった。キラードロイドが唸りを上げ、倒れたのだ。もう一体のLBXが現れる。
――継接ぎだらけのボディに、剣。恐らくナイトフレームだと思われるが、そのLBXが黒いLBXに向かって突進してきたのだ。
「まさか…、あのLBXは…!!」
そのフレームが、プロトIだった。継接ぎだらけで謎が多いが、いきなり弾き飛ばされた。黒いLBXは去って行った。
「…一体、何者なんだ?」
ジンがぽつりと呟くと、兵士が「た、大変です!」と叫び、慌てて言った。
「謎の少年が外で倒れてて…、」
倒れていたのは青メッシュの紫髪の少年だった。ジャックが「おい、大丈夫か」と叫ぶものの、まだ息はしていた。
――少年は、軍で預けている。何者なんだ…?
ジャックの推測は、確信へと変わった。
そして、事件は始まった。
作品名:グランギニョールは微笑んだ 第一章 作家名:のーちす