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グランギニョールは微笑んだ 第一章

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楽園を追放された亡霊


――神は死んだ。あるのは穢れた人間の欲望のみ。

ハーケンは走っていた。ニックスを出て行って30分後。Aシティを彷徨っていた。「此処は…何処だ?」と言うも既に遅し。迷子になってしまったのだから。
LBXをしている子供、仕事に熱中している大人。と言った者や、TVから聞こえてくる雑音が五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い――。
「…LBX、か。」
ハーケンは山野バンの父親を知っている。LBXを初めて作った人。と思っているが、実際には危険な技術をイノベーターに譲り渡した人物。と勝手に思っている。父さんを巻き込んだのも、全部あの父親のせいだ。

「…そこの君、ウヅキ家の服装をしているんだね。」

確かに自分の服装はジン・ウヅキから渡された服装をしている。それに声をかけてきたのは――!?
「お前は…誰だ…!?」
その格好は不気味とも言えるし、気味が悪いとも言える。人間ではないと思ったのは、機械的な身体に白衣を身に纏っていたからだ。
「…怖がらなくてもいい。僕はサンから君にこれを渡してほしいと義務を受けているから。」
トランクのケースを渡され、ハーケンは渋々と受け取り「本当に誰?」と言った。

「僕はゲイト…。未来から来た、科学者さ。」

ゲイトが去った後、トランクを開けたら中に入っていたのはLBXのコアフレームだった。
何か書かれている。
「AX…000…?」
それにアーマーフレームが入っていた。漆黒の機体を模した様な、それにこれを知っている気が…。早速つけて見た。ハーケンから見た、このLBXはカッコいい。
「…あのゲイトという人、何者だったんだろう?」

「…サン、如何言う事だ!?パラダイス破棄中止って…。」
サンは「ギリアム・イェーガーから聞かれたんだ。破棄は止めろって。」と言うが。
アクセルはこう語る。
「正直、予知能力なんて、無い。」
だーっ!!全員がずっこけた。「君、凄いジョーク言うんだね…。」とユウヤ。ギリアムと言う人物から聞いただけだから、仕方が無い。
「…もう遅いわ、今頃遥博士が破棄スイッチを押しているの。」

「…さようなら、アダム、イブ。」
遥はけじめの為、破棄スイッチを押した。子供達と、お別れだ。

「…何で!?そうじゃなきゃ…。」
サンはオロオロしているが、ヒロとバンは「落ち着いて、サン」と言った。
「俺達はもうそろそろ此処を別れなきゃいけない。その前にTV出演したり忙しい事をしなきゃいけないんだ。」
サンは「…君たちが言うなら」と深く頷いた。

「…自分には理解が出来ない。」
ピートは苛立ちを、していた。