二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Wizard//Magica Wish −11−

INDEX|1ページ/13ページ|

次のページ
 
「へへっ、助けにきちゃった!ゆま、役に立った?」

「ゆまちゃん、君…魔法少女だったの?」


俺たちはお互い寄り添いながら屋上の出口に立っていた少女見て驚いていた。そこには緑色の可愛らしい服装にまるで猫耳のような帽子、魔法少女の姿になった ゆまちゃんが立っていた。ゆまちゃんは俺たちの元へパタパタと駆け足で寄り添ってきた。

「ハルト!キョーコ!大丈夫?」

「嘘だろ…なんで ゆまちゃんが…」
「…っ…おい、ゆま!お前…」

「ん?なにキョーコ」

「お前…なんで魔法少女になっちまったんだ!!」

突如、杏子ちゃんは血相を変えて ゆまちゃんの肩を大きく揺さぶり始めた。こんな杏子ちゃんをみたのは始めてだ。瞳孔を開き何度も何度も ゆまちゃんに問い詰める。我を忘れているみたいだ。
「ちょ、やめろ杏子ちゃん!」
「言え!!なんで魔法少女になった!!」

「え…ふえ…」

「答えろっ!!ゆまぁっ!!!!」

「いっ…ひぐっ…」

「杏子ちゃん!」


「あっ…」


その瞬間、杏子ちゃんに肩を掴まれたまま ゆまちゃんは大泣きし始めてしまった。無理もないだろう。この子にはまだ魔法少女になる意味すらわかっていないのだから。ゆまちゃんは俺のローブに顔を隠し、さらにおおきな声を上げて泣き始めてしまった。突然のことでびっくりしてしまったのだろう。俺はそんな少女を抱きかかえ背中をさすってあげた。

「杏子ちゃん、言い過ぎ」
「っ…ごめん…」

「大丈夫だよ ゆまちゃん。杏子ちゃんはちょっと ゆまちゃんの姿を見て驚いちゃっただけだから、ね?」
「ひっひっ…ほ、ほんとぉ?…ぐす…」
「うん、ありがとう ゆまちゃん。おかげで助かったよ」
「うん…ゆま……キョーコとハルトの役に…すぅ~…」
「あ、あれ?」
どうやら泣き疲れてそのまま眠ってしまったみたいだ。俺はそのまま ゆまちゃんの頭を撫でてあげながら変身を解いた。
「ハルト!ゆまは…」
「大丈夫、泣き疲れて眠ちゃったみたい」
「そうか…はぁ…」
「杏子ちゃんの気持ち、わからなくもないよ…俺も、同じこと考えていたから…」


少女の寝顔を覗く。先ほどまでの大泣きが嘘みたいに気持ちよさ気にぐっすりと眠っていた。そんな ゆまちゃんの顔を見て俺は胸が痛くなった。こんな健気な少女が、魔法少女という運命に束縛されてしまうとは…。許せなかった。まだ未来がある子供にすら絶望への道しるべを与えてしまったあの地球外生命体のことを…。

「インキュベーター…っ!!」

「ハルト…」




作品名:Wizard//Magica Wish −11− 作家名:a-o-w