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【腐向けAPH】昼下がり【香氷】

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学パロ、クラスメイト設定
香と氷




 ああ、その華奢な横顔が好きだなぁと思ったら、ぽろっとうっかり口に出していた。自分はつぐつぐ失言対象なんだろうなと思いながら、出てしまったものは仕方が無いと諦めてしまう。此処が俺の悪いところ。だぼだぼのセーターで気だるげに肘を突いて窓の外を彼は見ていた。いつもだるそう。俺もそんな事よく言われるけれど。
「…俺、イースの顔好きかも」
「は?」
 何それ、意味分からない。イースは言い放って先程調理実習で作ったカップケーキをぱくりと口の中に入れる。育ち盛りの高校生にはお弁当だけでは足りないのである。おやつも必要だ。イースは見た目に似合わず、(いや見た目も繊細だけれど)料理など細かいことが嫌いではないらしく、美味しそうにカップケーキを焼き上げていた。因みに食べ物<面倒だった香は案の定サボったためにカップケーキにはありつけなかった。
「顔だけ?」
「ん、一緒に居ても心地いいし」
 自然に出てきた言葉に驚いた。勿論自分がそんな言葉を言ったことにも驚いたし、言われたイースも綺麗な色の目を見開いて驚いていた。透明な白い肌が少し、熱くなってほんのり赤くなる。照れてるんだと思ったら、余計可愛いなと思ってしまった。イースはただのクラスメイトなのに、友達として好きなのに、まるで
「告白みたいじゃん」
「…そうかも」
「香、意味分かんない」
「俺も良く分かんない」
「じゃあなんでそんなこと言うの?」
 首を傾げて、純粋に問うた。その眼も嫌いじゃない。今までそんなに長くも無い時間、どうでもいいこともそうじゃないことも、くだらないことも分かち合ってきた。クラスメイト、それ以上でもそれ以下でもないはずだ。なんかそれ以上の関係になってしまいそうなところが少し怖かった。でもそれ以上に思っていることを伝えないのは、良くないことのように思えてきた。
「思ったから、言った。悪い?」
「悪くない…うん、香のそういうとこ嫌いじゃない」
「そう」
「なんだよ」
「なんでもない。それチョーダイ」
「やだ」
「じゃあ奪う」
 イースが手を伸ばして無防備になった齧り掛けのカップケーキに口を付ける。ぱく、一口かじってしまえばこっちのものだ。イースは諦めるに決まっている。そんな些細なことの性格まで分かるぐらいにまで仲良くなった。仲良し、それだけの関係なのかな?
「やーだ、あ、香っ」
「頂き」
「はぁ、もういいよ…違うの食べるから」
「やっぱもういっこあったんじゃん」
「欲しいって言うならあげようと思ったけど、香言うわけないし、っていうか食べ掛けがいいの?意味わかんない」
「別になんでもいいんだよ。食べられれば」
「最悪」
 別に今そこで言葉が無くてもあっても、関係性はきっと変わらない。これからもずっと良い様な悪いような良く分からないクラスメイトであり続けることは確かだなと、香は思ったし、思わず言葉にしてイースに伝えた。伝えてから、改めて自分はこんなにも雄弁な人間だったかと悩むことになるのだが、何しろ若いので直ぐに忘れてしまうのである。まだ、時間はある。ゆっくりとこの気持ちがなんなのか考えていけば良いだけなのだ。

「うん、美味しい。イースいい奥さんになる」
「なんないし」