二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

INDEX|13ページ/98ページ|

次のページ前のページ
 

マッキーの交通整理




二人は宮部神父に軽く挨拶をして教会を出る。
『何か分かったら、俺達に連絡をくれ』
『・・・・・・お役には立てないとは思いますが』
出掛けに翔太郎が連絡先を書いたメモを渡したときも、宮部は申し訳なさそうな顔でそのメモを受け取っていた。
「・・・・・・真面目な、いい神父さんだったな」
真倉は誰に問うでもなく呟く。
「・・・・・・ああ」
翔太郎は誰に聞かせるでもなく答える。
「よっし、んじゃ気合入れ直すか! ああいう善良な市民が住みやすいような街にするのが警察の役目、だったりするんだろう、マッキーよ?」
「ふん、言われるまでもない! さぁとっとと次に行くぞ。ついて来い、雇われ探偵!」
「だからそれやめろっつの!」
二人は言い合いをしながらも次の聞き込み場所へと歩いていく。
「! ちょっとまて、探偵」
しかし、いくらも歩かないうちに真倉が歩みを止める。
「? どうしたんだ、マッキー?」
真倉の目線の先。
そこには横断歩道を渡ろうとしている小学校帰りの子供たちの姿があった。
「ここは割りと車の流れが激しいんだ。探偵、お前は少しここで待っていろ」
そう言うと真倉は横断歩道まで走っていき、歩道に備え付けてある手旗を一つ取る。
「よーし、子供たちー! お兄さんが誘導するからそれに合わせてこの横断歩道を渡るのだー!」
テンション高く児童を誘導し始める真倉。
「あー、マッキーだー!」
「刑事さんのマッキーだー!」
「ジンさんの部下のマッキーだー!」
「アホの真倉だー!」
「こら、俺のことは真倉刑事と呼べと何回も言っておるだろう! あと最後のヤツ、横断歩道を渡る前に話があるからちょっとお兄さんのところまで来なさい!」
子供たちにきゃっきゃっと騒がれながらも、どこか慣れた様子で子供たちを誘導する真倉。
その様子を翔太郎はただ呆然とみつめていた。
ひとしきり、子供たちを誘導し終えると、真倉は翔太郎のところへ戻ってきた。
「ふう。待たせたな、探偵。ん? どうした、鳩が豆鉄砲食らったみたいにきょとんとしおって??」
「ま、真倉が、あのアホの真倉が、まともなことしてやがる、だと・・・・・・?」
「よーしわかった、そこへなおれ。顔の形変わるくらいまで殴ってやる」
「どういう事だ!? 何故へタレで自己中なお前があんな面倒見の良いまねを!?」
「おい、そのくらいにしておけ! そろそろショックで俺は泣いてしまうぞ!?」
若干目に涙を浮かべながら真倉は抗議する。
「横断歩道の誘導は俺がまだ交通課にいたときからやっていた仕事だ。ここは通勤でもよく通る道なのだが、道が狭いわりに交通量が多いのだ。だから気がついたときにはなるべく誘導業務をするようにしていたんだよ」
「そうだったのか・・・・・・。いやでも驚いたぜ、悪い意味じゃなく。お前はこういうことは面倒くさがる奴だと思っていたからな」
「何を言っているのだ、探偵?」
真倉は少し怪訝な顔で翔太郎を見る。
「我々のような強い権限と力を持つ警察が立場上弱い市民を守るのは当然のことだろう。いわゆる強者の義務というやつだな!」
えっへん、と何故かエラそうに胸を張る真倉。
「・・・・・・お前の理屈は独特すぎて、俺にはよく分からないよ・・・・・・」
翔太郎はそれに少し疲れた様子で帽子で頭をかかえる。
「でも、お前はお前でこの街を守っているんだな」
しかしその隠された翔太郎の口元はかすかに緩んでいた。
翔太郎は立場や考え方は少し違うが真倉も自分と同じく街を守っているのだなと再確認する。
「さて、んじゃ気を締め直して次の聞き込みに行くか!」
「うむ、しっかり案内するがよい!」
「だからなんで上から目線だテメー!」
翔太郎と真倉はお互いに罵り合いながらも、しかしその足は止めることなく、次の目的地を目指す。