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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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ダブルの二人は何事もないような調子で永田の殺気を受け流した。
「ご、ごの・・・・・・っ! お、お前らぶざげるな!!」
その挑発ともとれるダブルの態度に激怒する永田。
「『ぶざげるな』ってなんだよ。滑舌悪すぎだろ、お前」
「確かに。もしかして君、頭の回転は遅いほうなのかな?」
それにあくまで自然体なダブル。
「あ、」
その態度に、
「あああ」
永田省吾の堪忍袋の尾は、
「あ、ああああ頭がなんだってぇぇーーーー!?」
完全にぶっちぎれた。
ブウン、ドッゴーーン!!
永田の圧迫攻撃。
しかし先ほどのような時間のかかるものはなくほぼ予備動作なく空間の歪みを発生させる。
「おおっと!」
それを前転して避けるダブル。彼のいた場所にクレーターが出来る。
「ぢょごまが、ずるなぁぁぁ!!」
ブウン、ドッゴーーン! ドッゴーーン! ドッゴーーン!
連続で歪みを発生させる永田。
「ほっ、よっ、とりゃ!」
それを軽快な動きで全て回避するダブル。
「しかし、厄介な能力だな、これじゃ近づけないぜ!」
永田の連続攻撃を避けながら翔太郎は叫ぶ。
「ふむ。こうも連続で攻撃されてはメモリチェンジのヒマもないしね。さてどうしたものか」
それに対して落ち着いて状況を分析するフィリップ。
ブウン、ドッゴーーン! ドッゴーーン! ドッゴーーン!
「お前っ! 何っ! 落ち着いているんだ、よっと!」
攻撃を避けながら翔太郎はフィリップに問いかける。
「ん? ああ、すまない。なかなか興味深い能力だったからつい分析に夢中になってしまった。僕には気にせずに攻撃回避を続けてくれたまえ、翔太郎」
「くっ! こ、こいつ、自分の体じゃないからって!」
「お、お、お、おのれらおでをおぢょぐっでんのがぁぁぁ!?」
翔太郎たちの日常会話じみたやり取りにさらにキレる永田。
ブウン、ドッゴーーン! ドッゴーーン! ドッゴーーン!
「よっ、ふんっ、ほっ! ・・・・・・でもこのままじゃマジで攻撃出来ない。どうする?」
永田にまったく近づけない、こう隙間なく攻撃されてはメモリチェンジも難しい。
永田とダブルの戦いはどちらかがバテるまでの持久戦になるかと思われた。
(Accel!!!)
新たな、第三者の電子音が鳴り響くまでは。
「・・・・・・ふん。俺を忘れてもらっては困るな?」
赤の革ジャンの刑事。
照井竜。
彼の腰にはまるでバイクのスロットルを模したようなベルトが巻かれていた。
「・・・・・・俺も、参加させてもらおうか!」
そして彼の手には真っ赤なガイアメモリ。
中央にはアルファベットの"A"の文字が入った、燃えるような真紅のメモリ。
(Accel!!!)
照井がスイッチを押すと、メモリはまるで点火されたエンジンのような高圧のプレッシャーを帯びる。
「変・・・・・・身っ!!」
照井の叫び。
クールな照井には似つかわしくない、熱い雄叫び。
ガチャ。
照井はそのメモリをベルトの上部のスロットに装填する。
そして、ベルトについているパワースロットルに手をかけスロットルをひねる。
(Accel!!!)
それに呼応するようにガイアメモリは鳴り響く。
照井の前に浮かび上がったバイクのタコメーターのような文字は照井がスロットルをひねるとその数値を限界まで振り切る。
そして赤い熱風のようなエネルギーが照井を包み、彼を人間ではない『何か』に変貌させた。
真っ赤なボディ。
フルフェイス・ヘルメットのようなマスクで、頭部はそのメモリを象徴するかのようにアルファベットのAの形を模している。
オンロードバイクを人型に作りなおしたようなその体の背部と脚部には車輪が装着されている。
仮面ライダーA(アクセル)。
怪人でありながら怪人と敵対する者。
刑事、照井竜のもう一つの真実。
ダブルと並び立つ存在。
「お、お前も仮面ライダーだっだのが!?」
驚愕する永田。
「・・・・・・左たちとの戦いを観戦させてもらった」
アクセルは静かに呟く。
「・・・・・・そのメモリ、なかなかのパワーとスピードだ。しかし、」
そこまで言うと、永田の方に向き彼を指差し。
「―――お前は同時に二箇所は攻撃できない」
その能力の弱点を言い当てた。
「ぎぐっ!」
永田は分かり易く体をびくつかせる。
「・・・・・・本当にダブルを仕留めたいのなら、わざわざ連射しなくてもダブルの立っている場所と避けるであろう場所の二箇所同時に圧迫現象を発生させればそれで詰みとなるハズだ。・・・・・・真剣勝負の戦闘中に『それをしない』ということはつまり、『それはできない』ということ」
アクセルは自分の愛剣、エンジンブレードを構える。
「・・・・・・メモリのパワーとスピードを見せびらかし過ぎたな。おかげで弱点までよく見えたぞ!」
「ぞ、ぞれがどうじだ! だ、確かにおでのプレス・メモリは一度の二つ以上のものを押じ潰ずごどは出来ない! だがおでにはそれを補うスピードがあるっ! いくらお前らがおでの弱点が分がっだがらっで、状況は何もがわらねーんだよっ!!」
「そうでもないさ」
アクセルと永田のやり取りにダブルは横から割って入る。
「ああ!? ど、どういうごどだ!?」
「・・・・・・はぁ。お前さ、状況分かっているか?」
翔太郎はげんなりした調子で溜め息をつく。
「さっきは一対一だったから君には近づけなかったが今は二対一だ」
いや、より正確には三対一か、フィリップは呟く。
「ぞ、ぞれがどうじだ! おでにはスピードがある! お前らのどっぢが来でも、」
「だから、さ」
永田の言い分を途中で終わらす翔太郎。

「二人同時の攻撃なら、―――お前はどっちから止めるんだい?」

その言葉を合図に、ダブルとアクセルは同時に永田のところまで走る。
「え、ぶ、二人同時!? あれ、どうじよう? どっぢだ?? どっぢを止めれば??? う〜ん、ぐぞ! ならまずはぞっぢの赤いほうから、」
「遅い。悩みすぎたね」
フィリップの冷静な声。
永田が悩んでいる間にダブルは攻撃の射程圏内に入っていた。
「げ」
唖然とする永田。
「うぁらよっ、とっ!」
バッゴーーーン!!
そんな永田の状況などお構いなしに、ダブルの強烈な右ストレートが永田の顔面を捉える。
「ぐっばぁぁぁ!!」
盛大に吹っ飛ぶ永田。
パシュッ!
それと同時に永田の腕からプレスメモリが排出される。
「う、う〜ん・・・・・・」
永田はダブルのパンチがジャストミートしてしまい、すっかり意識を失ってしまった。
「恐ろしい能力のメモリだったね。使い手がバカでなければ」
フィリップは今回の敵を簡潔に評した。