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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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さらに説明を続けるアクセル。
「・・・・・・いくらメモリによって強化された肉体とはいえ、肉体を音速や光速のスピードで動かすのだ。・・・・・・駆動時に発生する衝撃波、そのスピードについていくための無理な肉体強化。・・・・・・足を一歩を踏み出すという所作だけでも体中に多大なダメージが蓄積していくはずだ」
ガチャ。
アクセルはドライバーに挿してあるアクセルメモリを抜く。そして、
(TRIAL!!!)
「だからどういう決着にしろ、この戦いは長くは続かないと予想していた」
「・・・・・・っ!!」
未だオーバーフローの激痛で倒錯気味の68番だが、さすがにその電子音でアクセルの行動に目が向く。
「・・・・・・もう攻撃を受ける必要はないからな。・・・・・・さぁ、今度こそ、―――全て振り切るぜ!!」
ブォン! ブォン!! ブォォォンッッ!!!
(TRIAL!!!)
電子音とともに現れた青き音速の騎士。
仮面ライダーアクセルトライアル。
「・・・・・・今、その苦しみから君を楽にしてやる!」
(Maximam Drive!!!)
アクセルトライアルは残された力を振り絞ってマキシマムドライブを発動した。
「・・・・・・っ!!」
68番は攻撃を喰らわないようにアクセルトライアルとの距離をとろうとするが、
バチ! バチィ!!
そのフットワークは見る影もないほど遅くなっていた。
「・・・・・・っ!!?」
「はぁ!」
アクセルトライアルはトライアルメモリを空中へ放る。メモリの秒読みが開始される。
ビュンッ!!
その秒読みと同時にアクセルトライアルの駆動域を最大加速。あっという間に68番に肉迫する。
「っ!!」
「う、おおおお!!!」
ドドドドドドドド!!!
横蹴り足刀蹴り回し蹴り横蹴り足刀蹴り回し蹴り回し蹴り回し蹴り・・・・・・!
超高速のキックを相手の急所に叩き込む。
『マシンガンスパイク』。
アクセルトライアルの必殺技。その名のとおり、まさに機関銃の如き音速の蹴足が暴風雨のように68番に叩き込まれる。
ドドドドドドドド!!!
そしてその軌跡の蹴足は、やがてそのあまりのスピードから"点"である蹴足を"線"にまで引き上げる。
「う、おお・・・・・・」
そしてその"線"は蹴り込んでいる検体番号68番の体に"ある文字"を刻み込む。
「おおお・・・・・・!」
描かれたその文字は、トライアルの頭文字でもあるアルファベットの"T"―――!!
「お、おおおおおおお!!!」
ドドドドドドドドーーーーンッッ!!!
残された力をこめ、アクセルトライアルは68番を蹴り尽くした。
そして蹴りの嵐が終わるのと同時に、空中へ投げ出されていたトライアルメモリをキャッチする。
「・・・・・・9.95秒、それが君の、―――希望までのタイムだ。・・・・・・これ以上、悲しい呪縛に苦しむ必要はない。君は、君の人生を歩むのだ!」
それは68番という、一人の哀しい人間の再起を願う言葉だった。
「ガッ!」
そしてその一人の哀しい人間は、
ピカッ! バリバリバリバリィィーーーーッ!!
「ガガッ、ギ、ガギャアアアアアアアア!!!」
半狂乱になって苦しみ出した。
アクセルトライアルのマキシマムドライブとライトニングメモリのオーバーフローのせいで完全に心の制御を失ってしまったのだ。
「アアアアアアアアア!!!」
68番は前も後ろも分からぬまま凄まじいスピードでその場から逃げるように走り去っていく。
「っ!!・・・・・・待て! グッ・・・・・・っ!」
アクセルトライアルは慌てて68番を追おうとするが、思っていた以上のダメージでその場から動くことが出来なかった。
パシュウウ・・・・・・。
アクセルトライアルの変身が強制解除される。
その体、照井竜の肉体はすでにボロボロだった。
生きているのが、不自然なほどに。
「・・・・・・どうやら、・・・・・・俺はここまで、か・・・・・・」
光の怪人はどこかへ消え、音速の騎士は度重なる傷で今や見る影もない。
「・・・・・・あとは頼んだぞ、・・・・・・仮面ライダー・・・・・・」
街の平和のために闘った一人の刑事はその薄暗い部屋のなかで倒れる。
まるで眠るように。
この部屋を、再び静寂が支配した。