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Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)

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最終決戦




「うおおおおおおおお!!」
ダブルはハードターピュラーで一直線に帆船に突っ込む。
ドドドドドド!!
その際に両側の主翼に搭載されたビーム砲、「エナジーバルカン」を掃射。
ドドドドドドーーーンッ!!
全弾が帆船に命中する。ビームの衝撃で発生した煙が帆船を包む。
「やったか!?」
高熱のビーム砲の機銃掃射。その衝撃は凄まじく命中した箇所には濃い煙が立ちのぼっていた。
帆船は甚大なダメージを受けたに違いない。
・・・・・・しかし、煙が晴れると同時にダブルの考えは変わった。

そこには、無傷で聳え立つ帆船。

「な、」
「なんて強固な装甲だ・・・・・・っ!」
驚愕するダブルをよそに、船は形を変える。
エア・ダクトの突起に加え、船の至るところから筒状の突起物がグニャグニャと形成される。

その形はまるで、大砲のような―――、

「っ!! いけない、退くんだ、翔太郎!!」
ドドドドドドーーーーン!!!
その突起からボーリング玉サイズの鉄球が一斉掃射される。
「ぐああ!!」
ハードターピュラーを乗りこなして鉄球を避けるダブルだったが、相手の射程範囲が広すぎた。避けきれない弾をいくつか喰らってしまう。
「ち、ちくしょう! 艦砲までついているのか!」
なんとか致命傷を避けたダブルは未だ衝撃でくらくらする頭を抑えて叫ぶ。
「近寄るのは危険だ、まずは距離をとろう!」
「了解だぜ!」
ダブルは帆船から距離をとる。
「・・・・・・」
すると帆船の鉄球掃射は止まり、また淡々と銀の煙を吐き続ける。
「・・・・・・なるほど。先ほどの艦砲は近づいて来た敵に反応して自動的に攻撃するものだったのか。僕らが距離をとったことによって攻撃も自動的に停止した、というところだね」
フィリップは帆船を興味深そうに観察する。
「感心している場合じゃねーだろ! くそ、これじゃあ迂闊に近づけねぇ。どうすりゃいいんだ!」
こうしている間にも船は銀の煙を吐き続ける。もう時間はあまり残されていない。
翔太郎は焦っていた。
「・・・・・・ふむ。では、弱点を見つけるしかないな」
そんな翔太郎の耳に相棒の落ち着いた声が聞こえる。
「弱点?」
翔太郎が聞き返すと、フィリップは、ああ、と頷き、
「さっきも言ったとおり、あの帆船を構成しているのはあくまで人間の肉体だ。ならば、心臓や肺、脳のような人体の構造的な弱点まで受け継いでいるはず。人間をあれだけ変質させるんだ、アークメモリはきっとその"核"となる人間の弱点部分に存在しているはず」
フィリップは帆船をなおも観察する。
「一点集中の攻撃でそこを突ければ、おそらく宮部を助けてメモリブレイクも出来るはずだ」
「でも、その弱点ってのはどうやって探るんだよ!?」
目の前にあるのは長さ100メートルを越える巨大帆船。その形状はすでに人型を忘れ、アークメモリの場所どころか脳や心臓がどの位置にあるかも不明確だ。


「・・・・・・ふ。もちろん、その"検索方法"の当てならば既についている」
ピロロロロ!
鳥の鳴き声のような電子音。
「! ・・・・・・あぁ、なるほどね」
その音で翔太郎は全てを理解した。

ピロロロロ!
音の主は、一羽の鳥。
しかしそれは生体的な鳥ではなく、体が金属で出来ていた鳥にあらざる鳥型。
エクストリームメモリ。
仮面ライダーW(ダブル)最終にして最強のメモリの姿が、そこにはあった。