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まにまにまーや
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真・恋姫†無双~創製の異端者~ 『プロローグ』

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この物語の主人公の話を少し語ろう

彼はいつも『雲の様に自由に生きたい』と考えていた。
空に浮かぶあの物体はいつの間にか空に現れ、いつの間にかどこかに消えて居なくなる………まさに自由だ。

彼は年を重ね、雲がどうやって生まれるか、どうして消えていくのかを学び知りながらも『空に浮かぶ雲』に憧れた。

彼は空を見上げる事が好きなのだ。雲の無い快晴も、少し雲がある晴天も太陽を隠す曇天も、雨が降り注ぐ曇雨天も、日常の何気ない空模様が好きなのだ。

そんな彼を見知った友や知り合いは口を揃えてこう語る

『天道 迅(てんどう じん)は、まさに灯台もと暗しを体現している』と。

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終業のチャイムが鳴り響く教室の中、教師は授業の内容がテストに出るからと生徒に告げ教室から立ち去ると、静かだった教室内は生徒の活気に溢れかえる。

そんな中、窓辺の後ろから二番目の席に座り、授業そっちのけで空を眺めていた彼に、あるクラスメイトが肩に手を置き話し掛ける

「またまた空を眺めていたのか、迅?」
「今日はなんだか心地良い天気だからね、今日も部活かい?」

迅の肩に手を置いたままクラスメイトは爽やかな笑顔でもちろんと答えた

「何事も日々の積み重ねが大事なのさ……まぁ、先輩の受け売りの台詞だがな。」

「どーでも良いさ、俺は有り得ない期待に胸を踊らせながら空を眺めながら帰るだけだからな」

クラスメイトは少し肩をすくめながら苦笑いを浮かべる

「それにしても、勿体無いよな……お前のステータスならどこの部活だって欲しがるだろうに……」

「またそれか、知ってるだろう?ある程度は人並みにできるだけだって」

「まぁ、それもそうだが、背も高いし体育会系はお前欲しがってたろう?」

まぁ、うちの部活もなんだか……と少し気まずそうに呟くクラスメイトに少し申し訳なく思うが、こちらにも事情があるのだ

「正直、あんまり束縛されたくないのよ」

「わーってるよ、それより良いのか。もうすぐタイムセールの時間じゃ?」

クラスメイトが取り出したケータイを覗き込むと確かにタイムセールの時間が迫っていた。

「マズイ、卵に豚肉……そしてオリーブオイルが!!」

慌てて教科書類を鞄に詰め、財布を取りだし教室から飛び出して昇降口に向かって駆け出した。

「ほんと、アイツは自由だなぁ……おーい!!五限始まるまでに帰って来いよ」

迅の消えた後の教室でクラスメイトは形式上叫んでみたのだった。

これが彼、『天道 迅』の日常………
この日常が今日で最後になると、彼は知るよしもなかった。