紅魔館と適能者外伝~竜の戦士と第7の適能者~ 1
美鈴は、不思議そうに龍星が見ている方向に目をやった。そこには、地下道と思われる通路があった。
「まさか・・・奴はここから外へ」
「その可能性はあるな・・・」
龍星は通路に何もないか確認した。通路の天井にはフィラメントが切れた電球がつるされており、他は何もなかった。
「・・・よし、クリア。進むぞ」
「はい」
二人は地下道に足を踏み入れたその時、バルタン星人の鳴き声が聞こえてきた。
「フォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォ!」
「何が可笑しい!」
その笑い声に、美鈴は怒りを込めて怒鳴った。すると、その笑い声はぴたりと止まった。
「落ち着け。どうやらこの地下道は外に繋がっているな。走るぞ」
「え!あ、はい!」
そう言うと、二人は走り始めた。何処にも敵の気配はない。暫くすると、二人は外に出た。そして、二人の目の前には、3匹のバルタン星人が目の前にいた。
「ビンゴだ」
「良し。なr「待て」って何でですか?」
美鈴は構えをとるが、龍星に止められた。
「バルタン星人は鋏から静止光線を放つことができる。うかつに近づくことは困難だ」
「じゃあどうすれば」
「じゃあ何故隊長は俺達にスペシウムマグナム弾をのマガジンを装填しておけと言ったと思う?」
美鈴は少し考えた。そして、過去のドキュメントにおけるバルタン星人のデータを思い出した。
「そうか!奴らはスペシウムに弱いんだ!」
「そう言うことだ。奴らに特製のマグナム弾をぶち込むぞ」
「はい!」
そう言うと、二人はトライガーショットを構え、バルタン星人に向かってスペシウムマグナム弾を一斉射撃を始めた。
バルタンがいた場所は、猛烈な弾幕により煙に包まれた。
「仕留めたか?」
「分かりません」
そして、煙が晴れると、そこには
巨大化したバルタン星人がいた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・美鈴」
「・・・何ですか?」
「でかい方が狙いやすいよな?」
「ええ、その通りですね」
そう言うと、そそくさに二人はその場を去ったが、バルタン星人は市街地に向かった。
「まずい!早くエクセレンとキョウスケに連絡を入れるぞ!」
*
海鳴市 市街地近く
バルタン星人は、刻一刻と市街地に向かっていた。そして、その市街地には、キョウスケが駆るゲシュペンストtypeアルトアイゼンが、上空にはエクセレンが駆るゲシュペンストtypeヴァイスリッターとガンストライカーが待機していた。
「龍星と美鈴から連絡があった!こっちにバルタン星人が向っている!全機!武装のロックを解除しろ!場合によってはメテオールの使用を解禁する!」
「「「G.I.G.!」」」
そして、バルタン星人はついに肉眼で目視できるくらいの距離まで来ていた。
「住民の避難は!」
「ほぼ完了しています!」
「よし!各機攻撃開始!」
「「「G.I.G.!」」」
そして、ガンストライカーの光弾が、ヴァイスリッターのハウリングランチャーが、アルトアイゼンのスペシウムクレイモアが、バルタン星人目がけて放たれた。
そして、その一斉攻撃をもろ受けたバルタンは仰向けに倒れた。
「あらら?これで終わり?」
「気を付けろ・・・様子がおかしい」
そして、キョウスケのその的中は、当たった。
「え、ええ~~~~~~それってあり~~~~!?」
そう、バルタン星人は脱皮するのだ。
「くそ!これじゃあ埒があかねえ」
そして、それを遠くから、龍星が見ていた。
「まずいな・・・良し!」
龍星は右手を天高くかざすと、装着していたレックスブレスレットのプラズマ鉱石が輝き、そこからレックスアイが現れた。
龍星はレックスアイを左手に持つと、それを接眼した!
「デュア!」
レックスアイから火花が飛び、龍星の体が頭から徐々に元に戻っていき、セブンレックスの姿になった。
「ジュア!」
レックスは変身するや否や、巨大化し、そのままバルタン星人に飛び掛かった。
「フォッ!」
その攻撃をまとも受けたバルタンは、若干怯んだが、直に体制を持ち直した。
「ウルトラセブンレックス・・・」
「わお!まさに土壇場の増援って感じ!?」
「ヂュア!」
レックスは着地すると、すぐさま構えをとった。
「フォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォ!」
バルタンは両腕の鋏をサーベルの如き突きでレックスを牽制した。
「(成程、貴様がそう戦うのなら、私もそれ相応の戦いをしよう!)ヂュア!」
レックスは右腕のレックスブレスレットを刀のような鋭い剣に変形させると、それを左手に持った。え?どんな形状のだって?そりゃぁ・・・参式師子王刀かな?
「(いくぞ!)」
レックスは、レックスソードを構え、バルタンを睨む。対してバルタンは、鋏を構えながら、様子を伺っている。
(チャンスは一回・・・この一撃にかけるか・・・五分五分の賭けは嫌いではない・・・)
辺りが静かになり、そこには音がしなかった。
そして、一筋の花びらが、地面に落ちた。
「!」
「!」
両者は、同時に動いた。
「ヂュゥゥゥゥゥゥゥゥゥアアアアアアアアア!」
「フォッフォッフォッフォッフォッフォッフォッフォ!」
両者は同時に居合を行った。嫌、同時に見えたと言っておこう。居合を行い、両者は動かなかったが、事実上、その居合を決めたのは・・・レックスだった。
仰向けに崩れ落ちるバルタンに、レックスはビームランプからレクシウム光線Aタイプを放ち、爆発させた。
「や、やったのか・・・」
レックスは空を見ると、天高く飛び去った。
「あれが・・・ウルトラマンの力・・・」
ハルサキは、レックスを観ながらそう呟いた。
こうして、事件は解決した。しかし、それは、地球に、新たな動乱が吹く前兆だったとは、この時予想もしなかっただろう。
続く
*
次回予告
突然手に入れた力に動揺するプレシアは、かつてフェイトが住んでいた海鳴市に流れ着く。そこで会ったのは、半人半獣の学生だった。一方龍星は、遠見市で目撃された未確認生命体の調査に来ていた。そして目撃する。もう一人の巨人を!
次回!第3話!「出会い-rendezvous-」
さあ!来週も皆で観よう!
*
キャラ紹介、設定
レックスブレスレット:ウルトラブレスレットの改良型。内部にレックスアイを隠せる他、様々な武器に計上を変化させることが可能。
主な変形例
レックスソード:刀のような形をした剣。かつてザムシャーと戦った時に使用した剣を基にしている。(因みにザムシャーと戦った時は引き分けで終わり、決着がつけぬまま、ザムシャーの訃報をメビウスから聞いた)レックスカッターと併用して使える。
レックスディフェンダー:ウルトラディフェンダーの防御力強化型。バリア技を持たないレックスにとってはこの上ないものである。
キョウスケ・ナンブ
外見:原作と同じ
作品名:紅魔館と適能者外伝~竜の戦士と第7の適能者~ 1 作家名:ピカリーノ0000