パチェ日記
突然だが、今日から日記をつけていきたいと思う。日記など書いたこともないので分からないから、私なりに書いていきたいと思う。
私はパチュリー・ノーレッジだ。
自分しか読まないはずの日記に名前を書くのはおかしいかもしれないが、私らしさが出ていていい気がする。
とりあえず今日は何もなかった。一日中本を読んでいた。
112年 春
今日は魔理沙が来た。いつものようには本を盗んでいかなかった。最近は怒ることすら億劫だったのでほっとした。まぁ、機を見ていつか盗まれた本を取り返しに行こうと思う。必ず。
二日目にして書くことがこれだけ少ないと続くかどうか一抹の不安を感じる。
レミィの二の舞にだけはならないようにしたい。…レミィが日記をつけているのを見て始めた訳では断じてない。
112年 春
いつもどおり本を読んでいたら、魔理沙がきのこを大量に持ってきてくれた。
「これは本の延滞料だぜ☆」
きのこで買収されるつもりは毛頭ない。そもそも、盗まれたわけで貸した覚えも、くれてやった覚えもない。
きのこ持って来るくらいなら本を返せ。
112年 春
日記をつけ始めて四日目。どうやら三日坊主だけは避けられたようだ。日記は大漁に買ってあるからまだまだ辞めるつもりはない。
今日はフランが私の真似をして日記をつけ始めたいといった。どうせすぐ飽きるだろうが、なんとなく嬉しくなって私が使うには少し可愛すぎると思っていたピンク色の日記帳をあげた。
いつまで続くか少し期待したりしている。
112年 春
今日は久しぶりに頭の中が春い巫女を見かけた。珍しいと思いつつ本を読んでいた。香霖堂から小悪魔に頼んで借りてきてもらった外の本だ。
なかなか興味深い内容だった。ここに書くと長くなってしまうので省略する。非常に残念だ。
フランは今日も私の隣で元気よく書いている。
112年 春
昨日来た巫女が持ってきてくれたというお菓子をレミィと食べながら書いている。あの巫女がこんなものを持ってくるなんて珍しい。恐ろしく珍しい。槍が降っても不思議じゃないだろう。
ちらちらとこちらの様子を伺いながらお菓子を食べているレミィに日記の内容を見られないように注意しながら今日は筆をおく。
112年 春
今日でちょうど一週間目の日記だ。まだまだ辞めるつもりはない。
今日は、アリス・マーガトロイドが来た。なにやら怪しげな巨大人形を私の部屋に飾って去っていった。可愛いからまぁいいか。
今日はフランがどうしても一緒に寝たいと言うから、これから一緒に寝るつもりだ。
私の横でゴロゴロしているフランを見ながら吸血鬼は夜行性なのでは?と少々疑問に思いつつも顔がにやけてしまう私がいる。
今日のベットはフランのぬくもりに満ちている。
112年 春
寝ぼけたフランに二の腕を噛まれたこと意外は静かで平和な一日だった。
こういう日もたまには良いかな?なんて思ったりしている。
ただ、少し寂しい感じの一日だった。
112年 春
今日は久しぶりに魔法の実験をしようと思って地下室にいった。
途中の階段で足を滑らせて転びそうになったところを間一髪咲夜に支えてもらった。
運動の不得意な私の体を今更ながらに呪ってみる。
112年 春
今日は魔理沙が遊びに来ていた。盗み以外で私の元へくるのは久しぶりのことだ。咲夜が紅茶を運んできてくれた。やっぱり咲夜の入れる紅茶は最高だ。
今日の魔理沙は少し様子がおかしかった。これはきっと何か企んでいる…。
帰り際に変な草を置いて行った。確か前に草の図鑑で見たことがある。おそらく食用の草か何かだろうが、食べるなら調べてからにしよう。
112年 春
今日は久しぶりに雨が降った。私の魔法で紅魔館には梅雨でもあまり雨が降らないようになっているはずなのだが…おかしいな。あとで魔法をかけ直すことにする。なるべく早いうちが良いかな。
フランは驚くことにちゃんと毎日日記をつけている。らしい。なぜか内容を私に見せてくれない。まぁ、私もフランに内容を見せたことがないから人に見せちゃいけないものだとでも思っているのだろう。
112年 春
ここまで書いておいて中途半端だが、しばらく日記を書くのは中断しようと思う。辞めるわけではなく、あくまで中断だ。
しばらくがいつになるかはまだ分からないが…私は辞めるつもりはない。
フランは今日も日記をつけているようだ。
112年 秋
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END
(妹様の日記が続編です。)