闇ニ囚ワレタ物語ト語リ手 黒の檻と白の人形劇、偽りの栞を
「―――様…終焉(終わり)の切り札抹消計画順調に進んでおります」
「そうか、まずは奴らを人形(ドール)として戦わせるべきだな」
「はい………」
プツリ―
一方的に回線は切られてしまった、ボスにとっては俺はただの僕(しもべ)でしかないからだろうなと言う想像ぐらい出来る
コンピュータを動かす俺はため息をついた
「俺がこういうの得意なわけないのにまかせっきりかよ」
ここにはもう若干慣れてしまったがさすがに仕事を押し付け過ぎている
何としてでもこれを実行、成功させるつもりだ
そうでなければならないのだろう、この抹殺機関には希望なんて言葉はない、ただの欲望の塊(かたまり)だ
ボス、彼はいつ何時(いつなんどき)俺を殺すか分からない存在だ、いや、俺達を
雑用であって決して役立つものでもないのになぜ使われているのか、それは盾という存在で決して刃ではなくてそしてボスは傍観者
きっと哀れで愚かな者たちとも見て嘲笑っているだけなのだろう
「あいつの為だというならば働くべきじゃないのか?」
それがあんたの言葉だった、そりゃそうだよなあんたにとっては他人事だからただ見ていればいいもんな
でも俺さ、あんたとは違う
あんたの考えには賛成できない、肯定するべきことじゃないときっと彼らは言う
彼らだけでもいい、俺が守れなかった彼女を救ってほしい
まだ生きているから
それを見逃すなんてことをしない、それを少なくとも俺は知ってるよ
本当に無知だろうけど、いらないと断るとは思うけれど
助けになれるならなる
それだけは確かな決意だから敵だからという理由で信じないと思うけれど俺は信じてる
ドールさんよ
せめてお前達だけは戻るんだ、後戻りできないようにな
「戻るなんてことは奇跡ってもんがなきゃ出来ないもの…知ってるでしょ?だからねその場で存在意義を見つけろ」
俺は呟くしか出来なかった、何か出来るわけでもない、今の段階ではごもっともな事実で今は仲間という存在だってどこにもいなくてただ敵というものなら確かにたくさんいて
だから
俺には
願いだって希望だって存在しない
期待も出来ないから代わりとしていてくれよ?
なあ、スマッシュブラザーズさんよ
作品名:闇ニ囚ワレタ物語ト語リ手 黒の檻と白の人形劇、偽りの栞を 作家名:白悪魔