恋夢幻想 序章
素晴らしい人だと。隊員達に信頼され、指令にも頼りにされる彼女を見ながら、自分もそうありたいといつも思っていた。
いつからだろう?その思いが確実に変化したのは。
気付いた時には彼女に恋をしていた。
その姿を見る度に胸が高鳴り、息が苦しくなる。彼女に名を呼ばれる、ただそれだけで、俺は馬鹿みたいにうろたえてみっともない姿をさらしてしまう。
生まれて初めての恋だった
だが、この思いを彼女に告げる気はなかった。自分は彼女に相応しいと思えなかったし、何よりもこのことが隊務のさまたげになることを俺は恐れた。自分がそんなに弱いとは思わないけれど俺には責任があった。俺を信じ、ついてきてくれる6人の隊員達への隊長としての責任が。
彼女達と共に帝都の平和を守る、それが俺の使命であり、望みでもある。
帝都に真の平和が訪れるその日までこの恋心は隠し続けようーそう思っていた。忍び続けるはずの恋だった。
そうーあの日が来るまでは。