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藤枝 真緒
藤枝 真緒
novelistID. 32347
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ちょっと弟が好きなだけ!~諒~

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私は小説なんて全く読まない方だったけど
弟、諒(りょう)の影響で読むようになった。
と、いってもオススメされた物だけだ;

でも、小説を読む真の目的は…諒の作品を読むこと。


それは1ヶ月前、友達の家に遊びに行った時。
その子も姉弟で…しかも私達は同学年、同じクラス同士。
そんな不思議な偶然がキッカケで仲良くなった。

彼女の家のリビングでお茶を頂いてる時、ちょうど弟君が帰宅し、
諒がノートに小説を書き溜めていることを知った。

そんなこと聞いたら気になってしまうもので…
だって、諒は歌うのがだし、…
だから歌手とかアイドルとかになりたいんだと思ってた;



・・・



本日の夕食も済み、諒の好きなTV番組が始まった。
今こそ実行の時!!

リビングをそっと抜け出して諒の部屋へ直行!
学校指定の鞄を開けて怪しい赤いノートを手に取る。
思ってたよりも割と真面目に書きあがってるのが驚いたw

既に製品になってるものよりずっと面白い…
わざわざ他をオススメなんてしないで
こっち見せてくれたらよかったのに。

ガチャ


「「あ…」」


「お姉、部屋間違えてるよ?」

「そこっ!?
 いやいや、私は君のノートを盗み見してるんですよ」

「自らバラした…だと…」

「だって、いいわけ考えるのは面倒だし、
 間抜けなことに思いっきり現行犯ですから…」

「そんなの、言ってくれればいつでも見せたのに~
 俺は割と堂々と書いてる方だからね☆」

「書いてるって、私は1㎜も教えてもらってない」

「あ…そうかw」


こうして、事件は穏やかに解決した。

こんなんでいいのだろうか?
他所のお宅ってどんなんだろう?
我が弟に反抗期がちゃんと来るのか心配になりつつ
なにかお詫び的な事でもしたほうが良い気がしたので

「お詫びといってはなんですが…今度耳掻きでもしま
「勘弁してくださいっ!!」

諒がすごい勢いで両耳を押さえた。

なぜそんなに怯えた表情をしているのか?
私は人の耳垢がゴッソリ取れた時スッキリするのに。
まぁ、いいでしょう…

「なら今度カラオケ奢りますよ。お好きでしょ?」

「デフォでドリンクバー付きのフリータイムとポテトもつきますか?」

「諒君、姉の財力をなめてもらっちゃぁ困るよwおまかせあれ☆」

「じゃぁ、次の休日!絶対だよ!!」

「おk、おk!バッチリ確実に空けときますよw」


思わぬ棚ボタに、つい顔がニヤけてしまうw

いつからだろう?弟とのデートが嬉しいのは、
いつまでだろう?私の隣にいてくれるのは、
パートナーができてしまうのはどっちが先なんだろう?

君という存在は私をとても複雑な気分にさせる。
でも、私は知っている。「嬉しい」の後のすぐの「不安」は、
その次に君が連れてくる新しい「嬉しい」へと繋がっていることをw