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もかこ@久々更新
もかこ@久々更新
novelistID. 3785
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Morning Junky

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「あぁ・・・そんなに抱き締めないでください・・・」

胸の高鳴りが止まらない。
抱き締められているだけで、こんなにも緊張してしまう。
まるで生娘のような感覚。
これがまた、恥ずかしいのだ。

「何でぇ」
「だって私・・・必要以上にドキドキしてしまうから・・・」

目が潤んで、セクシーだ。なんて、恥ずかしい言葉を浴びせられて鳥肌が立ってしまう。
普段なら失笑で済ませられるようなこと。
彼の前だと、それができない。

「いいじゃねぇか」
「私、普段は性欲がないように生活してるんです。
お友達の皆さんにも、私は淡白で釣れないってイメージを持って貰うようにしているんです。
それが・・・あなたといるときは我慢出来ない・・・はしたないことです」

本当に、恥ずかしいのだ。
いつも通りに、心穏やかに暮らしたい。
私の心を邪魔する人とは、あまり関わりたくない。
でもあなたが好きで。
心を乱される。

「いいだろ、気にするようなことじゃねぇよ。
俺はハシタナイ菊も好きだぜぇ?」

誰か、何とかして。
私の心に平穏をください。
あなたのことをこんなに思う、なかなか会えないことが災いしているのだろう。
また卑猥な言葉を浴びせられて、私は少し怒ってみる。

「も、もうっ・・・それでは私のキャラが崩れてしまいます!
あなただって、人前で仮面がないと困るでしょう?」

彼は変わった人で、人前に出るときは必ず仮面をつける。
友人たちには彼は嫌われていて、仮面野郎だの何だの口汚く罵られているが、彼は全く気にしていなくて。
私の方が気にしてしまうほどだ。

「・・・・・・あ〜、確かに困るかもしれねぇなぃ。キャラが崩れるってとこではな」
「そうでしょう?仮面の男キャラが崩れるのはまずいでしょう?」

私は少し勝ったような気分になって、彼を畳み掛けようと口を開いた。
その瞬間に唇を奪われて。
声を失った。

「でもな、菊」
「・・・んっ・・・は、はい」
「今俺は仮面をつけてねぇ。人目につくところでもねぇ。お前もキャラ崩しても、問題ないんだぜ?
菊よ」

悔しい。理屈が通じない。
私は甘く痺れる唇を指でつねって、彼を見つめた。

「・・・むちゃくちゃです・・・」

どうしてこんなに、こんなにこの人が好きなのだろう。

「崩しちまえ、露け出せよ。
俺は全部食ってやるぜ」

彼の言葉に震え、彼の唇を吸わずにはいれなかった。
お願いですから、私をこれ以上乱さないでください。
私の心を、これ以上奪わないでください。
もしかしたら私の心には、もう奪う余地は残されていないのかもしれないけど。
作品名:Morning Junky 作家名:もかこ@久々更新