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Sfと至が幻想入り

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序章『二つの意思』


  
  感情とは何か
  それは追い求めるために必要か

白い空間に、二つの影があった。
「Sf、ここはどこだと思う?」
「判断する材料がありません」
「ほう、俺は『あの世』という答えを期待したんだが」
「それは有り得ませんので。しかし、それが至様のご要望であれば、後日叶えます」
「何故そう思った?」
「Tes.私が自動人形だからです」
「成程。じゃあ俺達はなんだ?間違いなく死んでいるはずだが」
「佐山様の概念開放と何か関係があるのでしょうか」
「そんな下らんこととは関係してない」
「何故ですか?」
「知りたいか?」
「いえ別に」
「じゃあ教えてやろう。お前は各Gの概念を覚えているか?」
「ええ」
「じゃあどの概念においても『蘇生』が存在し得ないことは知っているだろう?」
「……Low-Gで作られた概念には--」
「いくら概念開放の後だとしても、『蘇生』の概念は作成不可能だ」
「では、私はなんなのでしょうか?」
「……珍しいな、お前がそんなことを言うとは」
「Tes.こんなことを言うのは初めてですから」
「そうだろうな。知りたいか?」
「ええ」
「じゃあ教えてやらん」
「何故でしょうか?」
「自分の存在と照らし合わせてみろ。お前は答えを求める存在じゃない」
「Tes.思い出しました。ついでに理解しました」
「言ってみろ」
「Tes.私の名は『Sein Frau”在るべき婦人”』、在ることを望まれて生み出された存在です。私が在るのであれば、それ以上を望む必要はありません」
「そうか」
次の瞬間、白い空間は空間でなくなった。


―想像も、空想も、
 その内ですら意味を持たない―


作品名:Sfと至が幻想入り 作家名:紀伊