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[SS]オリジナルペルソナ3 2

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私の名前は椙中 星奈(すぎなか せな)
この春で高校2年生になる。
10年前にお父さんとお母さんが亡くなってから、ほぼ毎年引っ越しをしている。
きっと、親戚の間で誰が私達を預かるのか揉めているのだと思う。
私達っていうのは、私のお兄ちゃんのことも含めているから。
兄妹なのに毎回引っ越すとこが違う。
小さいときはそれが嫌で泣いていたけど今は大丈夫。

あ、説明している内に着いたようだ。
ここ、『ポートアイランド』に。

「ふう……」
だいぶ遅くなってしまった。
もうすぐ12時だ。

一瞬辺りが暗闇に包まれた

「痛っ……」
貧血かな、なんて考えていると、
「…?」
周りの様子に気づいた。

灯りが消えてる蛍光灯
起動していない改札口
真っ暗な駅のホーム

私はあまり深く考えなかった。
「早く行かなきゃ…」
私がこれから住むことになっているのは『月光館学園』の学生寮だ。

駅のホームを抜けると、棺桶みたいなオブジェがたくさんあった。
「?!」
急に凄まじい寒気がした。
私はこのオブジェを小さいときに見たことがあると、不意に思った。

物事をあまり深く考えない性格なので、とりあえずその場を立ち去る。

着いた。
「ここが…」
『月光館学園学生寮』 間違いない。パンフレットで見た通りだ。
玄関の前で私は立ち尽くす。
(もうこんな時間だから、寮の人達みんな寝てるかも)
しばらく迷った後、意を決して扉を開けた。……小さく。
「やあ、遅かったね。待ちくたびれたよ。」
「!!」
目の前には見知らぬ男の子。
「こんばんは」
一応挨拶。
「こんばんは。この先に進むのならここに署名して。…それがルールだから」
と笑顔で言う。
…よくわからないが、とりあえず署名した。
「はい。えと、これでいいかな」
男の子に紙を渡した
「この先何があっても進まなくちゃいけない。たとえ、目と耳を塞いでもね。」
「?」
その意味がよく分からなくて首をかしげる
「今はまだ分からなくてもいつかきっと分かる日が来るから。じゃあ、バイバイ」
「え?」
目の前にいたはずの男の子はいなくなっていた。
(今のは夢だったのかな…?)
そんなことを考えていると、
「わっ」
急に灯りが点いたのでびっくりした。
っていうか電気消えてたんだ。
「誰?!」
「へ…?」
ここの寮生と思われる女の子がでてきた。
「こんな時間になんで…まさか!」
その子は銃を取り出した。
「まて!」
またまた女の子がでてきた。
年上に見える。
「到着が遅れたようだね。私の名前は桐条 美鶴(きりじょう みつる)。…三年生だ。……彼女は岳羽 ゆかり(たけば)。君と同じ二年生だ。」
「よろしくお願いします。えと、桐条先輩、ゆかりさん。」
「あ、こちらこそよろしくおねがいします…」
自己紹介は終えたので部屋へ案内してもらうことになった。
「ありがとう」
少し微笑んでお礼を言った。
「ど、どういたしまして…」
ゆかりからぎこちない返事が返ってきた。
なんか、昔から私が少しでも笑うとみんな固まるけど…なんでだろう?
私が悩んでいると、「ねぇ、あのさ…」とゆかりが訪ねてきた。
「ここまで来る途中、なにもなかった…?」
私は今までのことを思い出す。
あまり覚えていなかった。
「特に何も。」
「そっか、ならいいんだ。あとさ…来たばっかでなにもわからないと思うけど、それはまた今度ね」
「うん。わかった」
「じゃあ、おやすみ」
手を振ってゆかりの姿が見えなくなるまで見送った。

「ふう…」
今日は本当に疲れた。
わからないところもあるけど大丈夫だと思いたい。
もう寝よう。


「おやすみ」

誰かの声が聞こえた気がした。