Wizard//Magica Infinity −5−
「夢…だと」
「そう、この世界は私が作った虚構世界。…ハルト、あなたは今も夢を見続けているの」
身体中の血の気が一気に引く。
視線が泳ぐ。
手足の震えが止まらない。
魔法少女?
虚構世界?
俺が…既に死んでいる?
「…あ…」
ついにその場に立つことさえ出来なくなった俺は近くにあった切り株に腰を下ろす。
俺は震える手を頭に乗せ現実から逃げようとする。
「ハルト。落ち着いて」
「落ち着いて…だと…ふざけるなよ…落ち着いていられるかよ…」
虚構世界だと?
ふざけるな…そんなの…信じてたまるか。
この世界はコヨミが作った?
俺の周りに存在する実体は全て偽物だと?
そして俺は…
俺は…既に…死んでいるだと?
時は既に遅く夜だというのに、俺の頭の中は真っ白だ。
何も考えられない。
何も考えたくない。
もうなにも聞きたくない。
「ハルト」
「はぁっ…!」
「ハルトっ」
「やめろっ……やめろっ」
「ハルト!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
…っ!!…
…えっ…」
俺は…弱い。
弱くて…守られてばかりだ。
「現実−いま−から逃げないで…ハルト」
「あ…あ……」
視界が鮮明になる。
乱れた心が落ち着いて行く。
コヨミの温もりが、暖かい。
彼女の心臓の音が身体を通じて聞こえてくる。
気がつけば、俺はコヨミに抱きしめられていた。
「コヨ…ミ…」
「そのまま聞いて…ハルト」
「…え……」
「これは、とある少女の話…全ての始まりの話よ…あなたはこの話を聞かなければいけない」
そう、それは…
今から何年…
いや、
数十年前の話。
丁度、
今、俺達が存在している時間と同じ季節、初夏の出来事だった。
「そう、この世界は私が作った虚構世界。…ハルト、あなたは今も夢を見続けているの」
身体中の血の気が一気に引く。
視線が泳ぐ。
手足の震えが止まらない。
魔法少女?
虚構世界?
俺が…既に死んでいる?
「…あ…」
ついにその場に立つことさえ出来なくなった俺は近くにあった切り株に腰を下ろす。
俺は震える手を頭に乗せ現実から逃げようとする。
「ハルト。落ち着いて」
「落ち着いて…だと…ふざけるなよ…落ち着いていられるかよ…」
虚構世界だと?
ふざけるな…そんなの…信じてたまるか。
この世界はコヨミが作った?
俺の周りに存在する実体は全て偽物だと?
そして俺は…
俺は…既に…死んでいるだと?
時は既に遅く夜だというのに、俺の頭の中は真っ白だ。
何も考えられない。
何も考えたくない。
もうなにも聞きたくない。
「ハルト」
「はぁっ…!」
「ハルトっ」
「やめろっ……やめろっ」
「ハルト!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
…っ!!…
…えっ…」
俺は…弱い。
弱くて…守られてばかりだ。
「現実−いま−から逃げないで…ハルト」
「あ…あ……」
視界が鮮明になる。
乱れた心が落ち着いて行く。
コヨミの温もりが、暖かい。
彼女の心臓の音が身体を通じて聞こえてくる。
気がつけば、俺はコヨミに抱きしめられていた。
「コヨ…ミ…」
「そのまま聞いて…ハルト」
「…え……」
「これは、とある少女の話…全ての始まりの話よ…あなたはこの話を聞かなければいけない」
そう、それは…
今から何年…
いや、
数十年前の話。
丁度、
今、俺達が存在している時間と同じ季節、初夏の出来事だった。
作品名:Wizard//Magica Infinity −5− 作家名:a-o-w