Wizard//Magica Infinity −6−
なにもかもが破壊された街中で、一人の少女がボロボロな姿で砕かれた建物の壁に寄り添っていた。
『アハハハハ!アハハハハハ!!』
「…うぐ…くっ…」
拳に力を入れようとするが、既に満身創痍のその体に戦える程の力は残されていない。
それを笑うかのように彼女の目の前でたか笑う魔女…ワルプルギスの夜は世界を終わらせようと破壊活動を繰り返していた。
「はぁっ…はぁっ…」
−どうして…なんどやってもあいつに勝てない…−
「ひっ…うぐっ…」
−繰り返せば、それだけ『まどか』の因果が増える−
次第に、彼女の手の甲に装着されたソウルジェムが次第に黒く染まりつつあった…。
「うっ…ううっ…」
−私がやってきた事は結局……!−
私の…私の希望は?
「もういいんだよ…ほむらちゃん」
「っ!」
ふと、彼女の耳に可愛らしい少女の声が聞こえた。
それと同時にソウルジェムの穢れが一気に引いていく…。
何故?
何故彼女がこの場にいるのだろうか…。
ここに来てはいけない…今すぐ安全なところへ…へ……あ…。
「まどか…まさか…」
目に映った彼女の笑顔。
それと同時に映った自分から全てを奪っていく一匹の生物。
「ごめんね、ほむらちゃん」
作品名:Wizard//Magica Infinity −6− 作家名:a-o-w