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魔法少女まどか★マギカ~マギカ★parallel~ 第2話

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魔法少女まどか★マギカ〜マギカ★parallel〜

第2話「変身」


午後5時ごろ、夕暮れの見滝原の街にキーンコーンカーンコーン、というチャイムの音が響く。ここは風見ヶ丘学園の中等部校舎。
スピーカーからは「蛍の光」のメロディと共に下校時間を告げる校内放送が流れる。放課後、部活動などで学校に残っていた生徒達が、三々五々昇降口から出て行く。

その生徒の群れの中に芳乃リッカの姿もあった。生徒会の会議で下校時刻が遅くなったのだ。今季からリッカは生徒会長を務めることになっていた。今日はその初仕事という訳だ。スピーチや会議でリッカは少し疲れ気味だった。さっさと帰ろう。リッカは家路を急いだ。
 
 夕暮れの見滝原の街を、リッカは家に向かって歩いていた。
すると、前を歩いていた白い上着に黒地にチェックのスカートの制服を着た長い黒髪の女子学生が何かを落とした。

「すみません、落としましたよ!」
だが、落とし主はリッカの声に気付かず歩き続けている。急いでリッカはそれを拾い上げる。

「ねぇ、ちょっと!・・・あの娘、気づいてないな・・・。・・・何これ?学生証?」

それは学生証だった。
『見滝原市立見滝原中学2年A組3番 暁美ほむら』
とある。

「暁美・・・ほむら・・・?へぇ〜、カッコイイ名前ね!・・・あっ!ねぇ、ちょっと!」
 リッカは急いでその女子学生を追いかける。

「・・・ねぇ!ちょっとキミ!・・・まったく、歩くの速いって!・・・ねぇ!」
リッカは追うが、都会の喧騒にリッカの声はかき消されてしまう。夕暮れの人混みの中、リッカはどうにかその長い黒髪の女子学生を追っていく。
その女子学生は人通りの少ない通りに入って行く

「何アイツ?随分気味の悪いところに行くわね。」
リッカは思わず呟く、近くに交番もなさそうなのでそのまま追いかける。やがて、その女子学生はつぶれた商店の中に入って行った。

「え?マジで!?」
リッカはその廃墟の前で立ち止まり、思わず驚いて言った。

リッカはかなり気味が悪いと思ったが、学生証を無くしたらあの子もこまるだろうと考えた。それに何より、リッカの好奇心が彼女を動かした。
良くも悪くも、リッカは好奇心が旺盛だった。

「よし、行くか!」
リッカは女子学生を追いかけてその廃墟の中に入ることにした。

廃墟の中には気味の悪い落書きがあった。何かの文字・・・ドイツ語のようだったが、リッカには意味が分からなかった。
「気味悪い落書き。ドイツ語・・・かしら?」

「お〜い」
リッカは呼びかけてみた。だが、返事はない。リッカもさすがに少し怖くなってきたので、帰ろうと引き返そうとしたその時だった。

突然周りの景色が崩れ、歪み、変化し始めたのである。さっきまでコンクリートの空間だったはずの場所が、毒々しい色の蝶が舞い、奇妙な草花が咲き乱れた、まるで悪夢のような、形容しがたい、悪意に満ちた異世界に変化していた。

「あれ!?出口がない・・・!?」
 
そして・・・さっきの女子学生がいた。ただ、その女子学生は制服ではなく、グレーと白の不思議な制服調の衣装に身を包んでいた。右手には金色の拳銃を構え、左腕には金色の小さな丸い盾のようなものをつけている。そして、彼女は奇妙で奇怪な、巨大な怪物と戦っていた。その怪物は黒いツタを何本も繰り出してその少女を襲う。その攻撃をその少女は、飛んだり跳ねたり、時に左手の小盾で防ぐなどして避けていく。そして、機を見ては右手に構えた拳銃をその怪物に向かって撃っている。まるでアニメかマンガの世界だけでしか起きないような出来事が、超常現象が、リッカの目の前で展開していた。
 
「な、何コレ!?冗談だよね!?一体何がどうなっているの!?」
中学2年生に進級し、また生徒会長として活動して疲れたからなのだろうか?悪い夢でも見ているのか?それとも本当に超常現象に巻き込まれてるか?
頬をつねってみるが状況は変わらない。

かつてない恐怖がリッカを襲う。リッカの生来の明るさや能天気さは、とうに消し飛んでいた。命の危険を感じたリッカは、とにかくこの場から逃げ出したかった。
だが、恐怖で足がすくみ、立ち上がれない。その場にへたり込んでしまったその時だった。リッカに気付いたのか、その少女がリッカに向かって叫ぶ

「クッ、薔薇園の魔女、今までより強くなってる・・・!!いったい何がどうなっているというの!?・・・・まどかは?・・・え!?何あの子!?どうして結界に!?ちょっと、そこのあなた!!危ないから今すぐここから離れて!!早く逃げて!!でないと死ぬわよ!!な・・・しまった・・・!きゃあああああああああああ!!」
少女はリッカに声をかけた隙を突かれ、怪物の黒いツタに足を払われ、右手の銃を落としてしまう。そして、そのままツタに捕まえられ、壁に叩き付けられる。

「グッ!!・・・まどか・・・!でも、あの子を放っては置けない!お前だけは!」
少女は再び立ち上がると、左手の小盾から新しく金色の拳銃をだし、また怪物に立ち向かっていく。だが、少女が苦戦しているのはリッカにも見て取れた。

『助けて・・・。』リッカが心の中でそう叫んだその時だった。リッカの頭の中に誰かの声が響いた。

「指輪をつけなさい」

それが誰の声かわからずリッカは戸惑った。だが、首から下げている銀色の指輪を見ると、指輪に埋め込まれた空色の宝石が、まばゆく輝いている。
今は他に選択肢がなかった。その声に言われるままにリッカはペンダントから指輪をはずし、指にはめた。

その瞬間だった。何かがリッカの中で生まれた。それは最初は小さなものだったが、すぐに大きくなり、激しくうねり、リッカの体中を駆け巡った。さっきまでの恐怖は嘘のように消し飛び、今や自分でも驚く程の力と勇気が、リッカを満たしていた。そして、空色の光がリッカを包み込み、リッカの姿を変えていった。白地に青色のラインが入ったセーラーカラーの上着と青色のスカートの風見ヶ丘学園の制服は、いまや清楚なフリルがあしらわれ、白地に空色のラインの入った上着に、グレーのスカートという、リッカが今までに見たことのないような不思議なデザインの服に変わったいた。それはまばゆいばかりの光を放ち、輝いていた。リッカの右腕には右手には長大な両刃の大剣が握られていた。