気づくまで
-けっきょくなにも守れなかったじゃん-
俺にとっては一番倒すべき敵のはずだが・・・
なんだこの状態。
『おい、紫原っ・・・そこどけ』
「えー・・・なんでー?」
『なんでー?じゃない!何で俺は押し倒されてんだ!』
「んー?気分?」
『あのなぁ!』
「もー・・・うるさいなぁ・・・」
『うるさくなんかっ・・・んぅ!?』
文句をかき消すかのようにキスされる。
声を出そうと口をあけていたため紫原の舌が簡単に入ってくる。
『んっ、んぅ!』
肩を押してもびくともしない。
そんなのお構いなしに紫原の舌が咥内を這い回って、舌を絡めてくる。
『んぁ・・・やめ・・・』
満足したのか紫原の口が離れる。
俺と紫原の間には透明な糸がつながっていてぷつりと切れた。
『なにしてっ・・・///』
「なにってー・・・キス?」
『だからなんで俺!』
「好きだから」
はぁ?意味わからん。
「俺あんたのこと嫌いだけど・・・あんたのことばっかいつの間にか考えてたからさ?室ちんに恋なんじゃない?っていわれて」
氷室!?
「んで、キスしたらやっぱり恋かな~って」
『なっ・・・///』
顔に熱が集まる
「今日はこれくらいにするからまたね~」
『おい!紫原っ!』
行ってしまった・・・
唇に触れるとまだ熱を持つ
なんだ・・・これ・・・
木吉がこれが恋だと気づくまで・・・もう少し
end