好き?
『そりゃ…ばったり会場で会って俺もコンビニに用があるからだろ?』
WCの会場で試合を氷室と見に来ていた紫原は手持ちのお菓子がなくなり仕方なくコンビニまで行くことにしてその道中の会場内で木吉に鉢合わせ今の状態なのだ。
「ていうかアンタもうすぐ黄瀬ちんのところと試合じゃないの~?」
『あぁ、そうだぞ!…もしかして俺の試合見に来てくれたのか?』
「はぁ?!ちげーし!!!」
『ははは、そうか』
「だいたい俺が負けた相手なんか応援したくねーし」
『じゃぁ、今度一緒にストバスしよう!』
「はぁ~?アンタ話聞い
た~?」
すごくいやそうな顔をして木吉を見る紫原に対し木吉は至極真面目な顔をしてる。
「ね~、俺が木吉の事嫌いってわからないの~?」
『ん?知ってるぞ?』
「じ`ゃあ何でそんなに俺のかまうんだよ~」
『好きだから…かな』
「…は?」
怪訝な顔で木吉を見ると木吉は優しく微笑み返した。
『俺、紫原のこと好きだぞ?』
「え!?はぁ!?」
『何慌ててるんだ?』
「あ、あ、あ、アンタが俺のこと好きって言うから!!」
真っ赤な顔でそう言う紫原に対し木吉は何の事だかわかってない様子でこう答えた。
『ん?俺、紫原のバスケプレイ好きだから一緒にバスケやりたいなぁって…』
「…へ?」
『ん?どうした?』
笑顔で顔を覗き込む木吉を見てさらに熱くなっていく自分の顔
「う、うわぁぁぁぁぁ!木
吉のバカー!」
『え、ちょ、紫原!?』
恥ずかしくてその場にいられなくなった紫原は走り外に出た。
「俺…馬鹿じゃないの…」
真っ赤で巨体を丸め座り込んで考えることは木吉の事ばかり
あぁ、もう!あんなやつ嫌いだ・・・!
『ははは…、真っ赤でかわいかったなぁ…』
走り去る後姿を見ながら笑顔で呟いた木吉の声は紫原には聞こえなかった。