Wizard//Magica Infinity −7−
「え、ここは?」
気がつくと、俺はいつもの見滝ヶ原の公園に立っていた。
風の音や噴水の音が聞こえてくる。
だけど何かが足りない。
あ、そっか。
人の気配が無い。
周りを見渡しても、人っ子一人もいない。
いや、その前に俺はなんでここにいるんだ?
あれ…俺は今の今まで、何をしていたっけ…。
たしか…杏子ちゃんから生まれたウィザードリングを使って…美紗を救って…
「あれに…ワルプルギスになったんだよな…なのに…どうなってるんだ?」
−やっと会えたな、操真ハルト−
「え?」
絶句した。
何故かって?
気がつけば目の前に人が立っていた。
つい先ほどまで、周りには誰も居なかった。
そして、目の前の男は俺の姿をみて笑っていた。
俺の前に突然現れた人物。
奴は、他の誰でもない。
『俺』の姿をしていた。
「お前…誰だ」
「俺は…お前だ。操真ハルトだ」
もう一人の俺。
どこからどう見ても俺だ。
そして奴は、ドライバーを出現させ、右手の中指に見たことのある指輪を装着している。
「お前……それは杏子ちゃんのっ!!!!」
「そう、俺自身のものだ。変身」
ゆっくりと…ドライバーに指輪をかざす。
「『フレイム』ドラゴン!!『ボォーボォー!ボォーボォーボォー!!』」
「さぁ…ショータイムだ」
「うっ…!!」
もう一人の俺は変身し、両手にウィザーソードガンを抱えて俺に一歩、また一歩と近寄ってくる。
答えろ…お前は一体なんだ。
お前は俺の何なんだ!!
「答えろ!!もう一人の俺!!」
「言ったはずだ、俺はお前自身だと。そして受け入れろ…絶望を!!」
俺は、戦わなくちゃいけない。
最大の『敵』と。
最後の敵…それは
紛れもない…『俺』自身だった−−−。
作品名:Wizard//Magica Infinity −7− 作家名:a-o-w