カード暗殺
「君、誰?」
僕が聞くと少女は微笑んで
「今日転校してきた成瀬成海です」
と名乗った。
「君が⁉︎」
僕たちはびっくりして聞き返した。あまりにも彼女が…いや、成瀬さんが暗殺者には見えなかったからだ。
「成瀬さんって暗殺者?」
茅野さんが直球に聞いた。
成瀬さんは少し困ったような顔をして
「えっと…暗殺者?」
と聞き返された。
僕は成瀬さんは普通の転校生だとわかった。いきなり転校先で「暗殺者?」なんて聞かれたら戸惑うに決まってる。
僕たちは成瀬さんに殺せんせーのことを教えた。成瀬さんは驚く様子も見せずに
「わかりました。私も頑張ります。皆さんよろしくお願いします。」
と言って自分の席に座った。
キーンコーン
「さぁ、みなさんの知っているとおり今日から成瀬成海さんがここのE組の仲間になります。仲間が増えたので私を殺せるといいですねぇ」
殺せんせーの顔が黄色と緑のしましまになった。
僕たちは仲間が増えたからってあまり変わらないとわかっていた。マッハ20にどうやって対先生ナイフを当てようか、いつも僕たちは弱点を探しながら考えている。卒業までに殺せるのだろうか。
「渚くん!今日までに委員会の私か磯貝くんにメンバー教えてね」
片岡さんが僕に言った。
「メンバー?」
「忘れちゃったの?修学旅行!」
ああ、そうだった。メンバー集めなくては。
「業くん!一緒のメンバーならない?」
「うん、いいよ。他のメンバーは?」
「えっと、