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うさぎみたいな君。1

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ここはとある王国の隅っこの方にある邸宅。
「ロヴィーノちゃん?」
こんこん、とドアをノックしながらエリザベータが呼びかける。しばらく待ってみたが、一向に返事が帰ってこない。しびれを切らしたようにエリザベータは溜息をつくと、躊躇いなく扉を開けた。
「ロヴィーノちゃ…もう!またこんなことして…」
扉を開けるとそこは、壁紙は引きちぎられ、ドアはところどころ蝶番の外れているものがあった。
「ロヴィーノちゃん?どこに居るの?」
キッチンを覗くとそこは、嵐が来たのかのような有り様だった。
その中で、ロヴィーノは、蹲っていた。手からは、血が流れている。
「……エリザベータ。」
小さくつぶやいたロヴィーノが、顔を上げた。まだ声変わりのしていない幼い少年の声。けれど、その声には見合わない悲しそうな目をしていた。ハーブグリーンの目が、ゆっくりとエリザベータを捉える。
「どうしたの?もう、ベットに行きましょ。後でご飯持ってってあげるから、ね?」
そっとロヴィーノの肩に手をのせ、話しかけると、小さく頷いたロヴィーノがふらふらと立ち上がり、ベットへ向かっていった。
「はあ…。まだかしら…」
片付けをしながら戸口の方を伺う。すると、チリン、とベルが鳴ってドアが軋む音がした。
「ちょっと酷なっとるんと違うか?」
「お上品ではありませんね。」
「ウヴェ…?これ、ほんとに兄ちゃんがやったの?」
少し心配するような声と、大人の男性の声。それからまだ声変わりのしていないロヴィーノよりも更に幼い声。
それを聞いたエリザベータは、キッチンを飛び出して、3人に、駆け寄った。
「もう!遅いですよ!ロヴィーノちゃん寝ちゃいましたよ?」
エリザベータが不満気に頬をふくらませた。
「すみません。この人が準備に戸惑ってしまいまして…。」
と、くせっけの青年(アントーニョ)を見ながら言った。
「何やねん!ローデリヒかてフェリちゃんの服にめーっちゃこだわっとって遅かったやん!」
今度はアントーニョがローデリヒに向かって言い返した。すると、まだ成長しきっていないのであろう、少し背の低い少年(フェリシアーノ)が止めに入って、騒いでいると、ガチャリと寝室のドアが開いた。
「何だ?うるせえぞコノヤロー。」
と言って、一本だけ飛び出ている来るんとしたくせっけが扉から覗いた。
「あ、ロヴィ!久しぶりやんなあ」
ふわりと笑ってアントーニョが、ロヴィのところまで歩いて行くと、扉の奥からロヴィを出してぎゅっと抱きしめた。
                             続く
作品名:うさぎみたいな君。1 作家名:RAJ