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Wizard//Magica Infinity −9− 完

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・・・


・・






−晴人……晴人−



「ん……んん…」


ゆっくりと目を開ける。

日差しが入り、頬に当たる風が冷たい。


視界に見慣れた女の子の顔が映る。


「おはよ…コヨミ」

「もう、何を寝ぼけているの?晴人」


いつの間にか、ベンチで昼寝をしていたようだ。おまけにコヨミに膝枕をされている。
ゆっくりと身体を起こし、手を上に上げて大きなあくびをする。


「ふぃ~…よく寝たなぁ。最近、ファントムとの戦いが多いから魔力の消費がハンパないな」

「大丈夫?晴人」

「大丈夫。こんだけ寝たから魔力も結構戻ったし、疲労も取れたよ」



覚醒しきらない頭の片隅に嫌にしっかりと覚えている出来事がある。
俺は昔の夢を見ていたようだ。

内容はあまり覚えていない。

あれは遠い昔…ずっと昔の出来事のような…。

「どうしたの?晴人」

「ん…いや、なんでもない。さてと、今日も偵察したし、そろそろ帰るとするか」

「偵察って…ちょっと歩いてベンチでずっと寝てただけじゃない」

「たまには良いでしょ?肩の力を抜くのも」

「だからって……っ!この感じ…」
「ファントムか!?」
「えぇ!あっちから!」
「行くぞ、コヨミ!!」
「待って!凛子達に連絡を…」


左手に赤い指輪を装着しコヨミが指差した方向へと走り出す。
また現れたな…ファントム。
これ以上、皆の希望を奪わせない!!