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傍にいるだけ

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恋人と傍にいるだけでいいとか同じ空間にいると落ち着くという感覚を最近やっと理解できた。
実際かなり落ち着く。どうやらそれまでは、警戒していたようだ。
マリスカはいつも通り俺が根城にしているクラブのダンスルームのソファで寛いでいる。俺の肩に頭をのせて猫のように。
「マリスカ、くすぐってぇから」
「わかってるわよ」
そう言おうとマリスカは、頭をどける気配はない。ルイスもそこまで強要しているわけでなく漠然とした感想だろう。周りは騒々しく音楽や声がうるさいのにそれが聞こえてないかのように二人は、顔色ひとつかえずに体を密着させている。
今日何本目かの酒瓶が空になった。するとマリスカは自分のグラスに入っている酒を口に含みルイスに口づけた。深いキスでマリスカの酒を飲むとルイスは、口の端から垂れた酒をなめとる。仄かな甘味と強めの酸味が癖になりそうなその酒は、最近試しで入れた酒だ。何故か男女問わず人気があり、たまになくなることもあった。
「ルイス、このお酒まだあるかしら? 」
「待ってろ」
恋人のワガママに答えるためバーカウンターまで行く。例の酒をというとバーテンは、嬉しそうな顔でルイスに手渡した。
最近あの無闇に尖っていたルイスが丸くなったからだろうか。バーテンがサービスとばかりにドライフルーツの入った皿を酒と共に出す。相性がいいのでどうぞと人当たりのいい笑みで手渡された。
フルーツの一つであるブドウを一粒口に含み、マリスカの座っている席まで行く。
「…わるかねぇな…」
ルイスの独り言は、クラブの騒音に呑まれる。
その独り言の意味は、ルイスだけが知っている。酒を待っているだろう恋人のいる場所にルイスは心持ちかるく歩いていった。
作品名:傍にいるだけ 作家名:兎餅