りんはるちゃんと真江で、あけおめ小ネタ
願い事(真江の場合)
神社への初詣が終わると、解散となった。
真琴は江とふたりで、みんなから離れ、肩を並べて歩く。
「さっき真琴先輩はなにをお祈りしたんですか?」
そう江が聞いてきた。
参拝したときのことだろう。
真琴は答える。
「この一年、みんな幸せに過ごせますように、ってお祈りしたよ」
「真琴先輩らしいですね」
「江ちゃんは、なんてお祈りしたの?」
「私は今年は全国大会に出場できますようにってお祈りしました」
「江ちゃんらしいね」
自分のことじゃなくて他人のことを願うのが、と真琴は思った。
心が温かくなる。
真琴は自分の近くにある江の手を握った。やわらかい手だ。
江が真琴を見た。
眼が合って、真琴はニコッと笑う。
すると、江も笑った。
おたがい顔を見合わせ、笑う。
手をつないでいる、すぐそばにいる、その体温が心地良い。いとしいと思う。
ふたりとも笑顔で歩いていく。
作品名:りんはるちゃんと真江で、あけおめ小ネタ 作家名:hujio